2016 Fiscal Year Research-status Report
アウトバウンド型オープン・イノベーション活動とイノベーション成果の関係に係る研究
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16K03882
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Research Institution | Gakushuin University |
Principal Investigator |
米山 茂美 学習院大学, 経済学部, 教授 (30258496)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山内 勇 明治学院大学, 経済学部, 講師 (40548286)
枝村 一磨 文部科学省科学技術・学術政策研究所, その他部局等, 研究員 (20599930)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | オープン・イノベーション / アウトバウンド / 開放特許 / イノベーション成果 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、研究開発やイノベーションに関する研究分野で近年大きな関心を集めているオープン・イノベーション活動について、これまであまり注目されてこなかったアウトバウンド型(企業が持つ内部技術の外部化)の活動に焦点を当て、それがインバウンド型(外部技術等の内部化)の活動に与える影響や、イノベーション活動の有効性・効率性に与える影響等を明らかにすることにある。 初年度の平成28年度には、前半の9月までに主として最近3か年に発表されたオープン・イノベーションに関する既存研究を整理し、特にアウトバウンド型の活動に関する概念枠組みや具体的な企業事例および定量的な実証研究の方法や結果等に関するレビューを行った。これらの中で、アウトバウンド型活動とインバウンド型活動との関係や、アウトバウンド型活動のイノベーション成果への影響等を扱ったLichtenthalerやChesbrough & Winter、Cassiman & Valentini等による既存研究が、今後の研究枠組みの確立のために大いに参考になった。 その間、6月に参加した国際学会(INFORMS)では、研究代表者がチェアを務めたオープン・イノベーションのセッションにおいて、参加者とオープン・イノベーション、特にアウトバウンド型活動の役割について議論を行い、いくつかのフィードバックを得た。 10月~12月には、研究代表者や分担者が過去に実施した企業ヒアリングの成果を振り返り、アウトバウンド型活動の特徴や課題等を整理するとともに、(独)工業所有権情報・研修館(INPIT)のホームページにまとめられている「開放特許活用事例集」掲載の企業群から数社を選び外部刊行資料を中心とした資料収集と分析を行った。 その後、年度末にかけて実際の企業訪問を行うとともに、アウトバウンド型活動とイノベーション成果との関係に関する仮説等の検討を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
前半の既存研究のレビューやその整理は、当初の計画より1~2か月多く時間がかかったが、それは6月に参加した国際学会で参加者から得たコメントや文献情報に基づき、追加的なレビューを行ったことによる。結果として、より充実した体系的な既存研究の整理ができた。 一方、後半の企業へのヒアリング調査については、計画していた訪問企業数を達成することができなかったものの、過去のヒアリング調査結果の再確認と外部刊行資料等による追加的な情報収集などを行い、事例研究の質を高めることができた。 当初の計画では、年度末までに前半のレビュー成果や後半の事例研究に基づく論文作成を行う予定であったが、それらについては現在取りまとめにかかっているところである。
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Strategy for Future Research Activity |
今後の研究の推進について、まず今年度(平成29年度)は、前年度に実施した既存研究のレビュー及びヒアリング調査の結果に基づく論文の作成を急ぐとともに、質問票調査のための項目を整理し、8月末までに質問票を設計する予定である。 その後、複数の企業を対象にパイロット調査を実施して必要な修正を施し、9月下旬~10月中にかけて、NEDO オープン・イノベーション協議会の会員企業及びINPIT「開放特許情報データベース」への登録企業等を対象とした質問票調査の実査を行う計画である。この間、回答状況に応じて2回程度の督促をかけ回答率の向上に努めたい。 11月には、回収されたデータのエラーチェック、及び必要に応じて電話もしくはメールによる回答企業への回答内容の確認等を行い、その後、年度末にかけて統計的な分析を集中的に実施する計画である。
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Causes of Carryover |
今年度(平成29年度)に予定されている質問票調査の実査に要する費用が今年度の交付予定額では賄えない可能性を考慮し、昨年度(平成28年度)の科学研究費補助金の執行に当たって、文献の整理やヒアリング調査結果の記録整理等を研究代表者ないし分担者自らが行い、文献整理や記録整理のために計上していたアルバイト謝金等を節約したためである。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
上記の理由で生じた約30万円は、今年度の質問票調査の実査費用(質問票調査の設計と印刷、Web回答システム等の開発など)、および昨年度の研究成果の国内外での学会発表のための旅費として有効活用する計画である。
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Research Products
(11 results)
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[Presentation] Open Problems of Open Innovation2016
Author(s)
Shigemi Yoneyama, Isamu Yamauchi, Seiji Manabe, Koichiro Ohnishi, Masayo Kani and Yoichiro Nishimura
Organizer
INFORMS International Meeting
Place of Presentation
Waikoloa, USA
Year and Date
2016-06-14
Int'l Joint Research / Invited
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