2019 Fiscal Year Annual Research Report
Study on the relationship between outbound open innovation activities and innovation performance
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16K03882
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Research Institution | Gakushuin University |
Principal Investigator |
米山 茂美 学習院大学, 経済学部, 教授 (30258496)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山内 勇 明治大学, 情報コミュニケーション学部, 専任准教授 (40548286)
枝村 一磨 文部科学省科学技術・学術政策研究所, その他部局等, 研究員 (20599930) [Withdrawn]
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | アウトバウンド型オープン・イノベーション / 開放特許 / 情報開示方法 / ライセンス成約 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、研究開発やイノベーションの分野で近年大きな注目を集めているオープン・イノベーション(OI)活動について、特にアウトバウンド型OI(企業等が持つ内部技術の外部化)の活動実態やそれが企業等の研究開発活動等に与える影響を分析した。 2016年度からの4ヵ年にわたり行われた研究では、既存文献のレビューや外部刊行資料に基づく事例研究を通じて浮かび上がったアウトバウンド型OIの目的、活動内容や方法、成果への影響等を参考にして、質問票調査を設計・実施し、その結果を分析した。質問票調査は、(独)工業所有権情報・研修館が設けている「開放特許情報データベース」への登録企業・大学等を対象に行い、最終年度の2019年度にそこから得られたデータと「IIPパテントデータベース」を接合して、特許の開放がどのような要因によって規定され、それがどのような効果を持つのかに関する計量経済学的な分析を行った。 その分析結果からは、(1)企業と大学等で程度の差はあるが、ライセンスや譲渡等による収益化が登録理由としては最も大きいこと、(2)しかし登録を通じた外部からの問い合わせやライセンス・譲渡等の成約は極めて限られていること、(3)開放・非開放の決定要因としては、開放目的の明確さ、他社にとっての技術的な重要性や汎用性の高さが、開放に正の影響を与えること、(4)開放からの問い合わせは、関連する技術の学会誌等への掲載実績や事業化の実績がある場合ほど多くなることが明らかになった。 これまでアウトバウンド型OIに関する研究は限られており、本研究はそれがどのような条件の下で促され、どのような情報の開示や方法が成果に影響を与えうるのかを明らかにすることで、この分野における研究の前進に貢献できると考えられる。
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Research Products
(5 results)