2019 Fiscal Year Annual Research Report
a study of incomplete strategic group management- in comparison with Japan ,USA and German management
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16K03892
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Research Institution | Chuo University |
Principal Investigator |
高橋 宏幸 中央大学, その他部局等, 客員研究員 (70104718)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
青木 英孝 中央大学, 総合政策学部, 教授 (90318759)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 代替的制度的解答 / 多重帰属者 / 兼任取締役 / 有向的人的結合 / ネット価値創出効果 / 取締役会会長の継承性 / 会長指揮の継続性 |
Outline of Annual Research Achievements |
多重兼任構造によるネットワーク構造がドイツ企業の固有の強み、すなわち戦略的対応をを可能にしていることがドイツの実証的研究から導き出された。同一企業内における取締役会と監査役かのそれぞれの構成メンバー間には厳格な「非両立性」、すなわち、「兼属の禁止」が株式法で定められている中で、取締役による他企業の監査役兼任、同一人による複数兼任による複合的な多重兼任構造のネットワークが同一業界、同一産業内、異種産業間という社会的なネッワークにまで拡大していている。この企業は株主利益の追求ではなくもっと広範な社会的な存在であること相まって、アングロサクソン流のエージェンシー費用の削減とは異なる代替的制度的解答(Heinze2002)を与えた。すなわち、株式の大衆化と分散化によって生じた所有と経営の分離により専門経営者である取締役はもっぱら官僚的コントロールで処分権機能に携わっていたのが、兼任先企業のコントロール機関で所有者コントロール機能を同時に持つことから「分離された所有権と処分権の再結合」がなされる。この取締役による監査役の兼任は、その意味で「内部的コントロールと外部的コントロールの互いにコントロールされた「複合的兼任に裏付けられた経営者」と呼ばれる。資金的結合の補完的な意味合いしか持たなかった人的結合が、資金的結合が後退するなかで依然としてドイツ企業の経営力の中枢であることが実証的に裏付けられた。兼任ンに対するアングロサクソン流の否定的見方に対して、最新のドイツ実証研究では条件付きでその有効性が評価された。監査役会における兼任割合よりは、同一人による兼任数の過多による時間的過剰負荷が監査役会のコントロール効率性を低下させる。また、この監査役兼任によって業務執行者としての取締役の経営における基盤が強固になるかというと必ずしもそうではなかった(Shrader,Luthje,1995)。、
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