2016 Fiscal Year Research-status Report
日本型インフルエンサーの普遍性と特異性に関する日米比較研究
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16K03896
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Research Institution | Toyo University |
Principal Investigator |
西澤 昭夫 東洋大学, 経営学部, 教授 (80257435)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | インフルエンサー / エコシステム / マクロ政策 / メゾ組織 / ミクロ活動 / 制度と組織 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は、本研究の理論的基盤構築に向け、メールだけでなく、現地にも訪れ、共同研究者のテキサス大学オースティン校IC2研究所の研究理事のD・ギブソン教授や関連分野の研究者たちとの意見交換、及び鶴岡市とオースティン市とのエコシステム構築過程に関する事実の確認とその類似性と差異性に関する比較検討などを行い、研究対象の確定を行った。この作業と併せて、エコシステムの概念規定とその構築過程の理論的基盤を究明するため、関連分野に関する先行理論の網羅的な分析・評価を通じ、制度と組織の連携を重視するW・スコットなどの研究成果などをもとに、インフルエンサーが働き掛ける対象としての組織フィールド概念の抽出と、組織フィールドにおけるアクターとその行為が組織変革をもたらし、これによる組織変革が制度化(=Institutionalization)するプロセスの理論的基盤を明らかにする作業を行った。 以上の作業を通じ、エコシステムと呼ばれる、ベンチャー企業の多数の新規創業(以下簇業という)・成長・集積をもたらす地域の支援組織の具体的な概念規定と、その構築過程について、インフルエンサーの具体的な活動やこれに触発される関係組織の変革と、その変革が制度として地域に埋め込まれる(=Embeded)過程について、実証分析を行う上で不可欠な理論的枠組みを提示することができる。 これまでベンチャー企業支援については、国のマクロ政策、及びメゾ組織としての地域の支援組織、アントレプレナー論などミクロの企業家活動が分離され、それぞれ連携することなく研究されてきたが、上記のような理論基盤を確定することにより、マクロ・メゾ・ミクロの三層構造を通じた統合的かつ実証的なベンチャー企業の簇業・成長・集積に対する分析視角を提示できるだけでなく、実効性ある支援策を提示できるようになると考えられる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度の研究課題である日米インフルエンサーの類似性と差異性を区分する理論的基盤の究明にほぼ目処がついた点を挙げることができる。次年度以降はこの理論をヤードスティックとしつつ、オースティンと鶴岡のインフルエンサーの具体的な活動の収集・分析・評価を行う予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
当初の研究計画に従い、次年度は日米の事例からインフルフェンサーの具体的な活動を修・分析・評価し、その類似性と差異性を究明する。
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