2017 Fiscal Year Research-status Report
日本型インフルエンサーの普遍性と特異性に関する日米比較研究
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16K03896
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Research Institution | Toyo University |
Principal Investigator |
西澤 昭夫 東洋大学, 経営学部, 教授 (80257435)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | Influencer / 大学発ベンチャー企業 / Ecosystem / Capital IとSmall i / Organization Field |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は、研究協力者のテキサス大学オースティン校付属IC2研究所Senior Research ScientistのDavid V. Gibson教授とオースティン市と鶴岡市における大学発ベンチャー企業の成功事例について、詳細な比較検討を行い、Ecosystem構築におけるInfluencerの役割の類似性と差異性を明らかにした。併せて、この類似性と差異性を一般化し、日米におけるEcosystem構築プロセスの普遍化を行う際の理論モデルの検討を行い、B・FeldがStartup Community(2012)で提示したEntrepreneurial Ecosystem及びM・StorperがKeys to the City(2013)において提起したCapital I(=マクロ制度)とSmall i(=メゾ制度)に注目し、大学発ベンチャー企業の簇業(=多数の創業)・成長・集積を実現するには、地域(=メゾ・レベル)におけるEcosystem構築が重要であるが、Ecosystemが社会科学の概念として一般化していない現状を踏まえ、Ecosystemをメゾ制度構築と定義したうえで、メゾ・レベルの制度構築プロセスとして、これを一般化するモデルの検討を行った。制度構築については、制度が持つ「鉄の檻」としての特性から、その変化をもたらすモデルの提示は不十分であった研究の現状を踏まえ、W・ScottがInstitutions and Organizations 4th edition(2014)において提起したOrganization Fieldに注目するとともに、その抽象性が持つ限界にも配慮し、ここで提起されたActorのInventionとNegotiationの具体的な内容を明らかにすべく、オースティン市と鶴岡市におけるInfluencerの活動を普遍化する作業を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
オースティン市と鶴岡市におけるInfluencerの活動の普遍性と、この活動をモデル化したメゾ・レベルの制度構築モデルの提示を通じて、研究者のみならず政策担当者にも大きく注目されたEcosystem構築について、具体的な活動内容を明らかにしえる成果を得られ、それを研究論文として発表できたこと、これを理由としてあげられる。
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Strategy for Future Research Activity |
これまで2年間の研究において、成功した地域におけるInfluencerの活動の普遍性とモデル化を行ってきたが、このモデルの一層の適応可能性を明らかにすべく、Ecosystem構築に失敗した地域における原因を究明するため、本モデルを適用して、失敗の原因を理論的に明らかにすることに挑戦したい。
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