2017 Fiscal Year Research-status Report
CSV実現に向けてのBOPビジネスモデル創造とソーシャル・アントレプレナーシップ
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16K03915
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Research Institution | Kansai University |
Principal Investigator |
横山 恵子 関西大学, 商学部, 教授 (00349325)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | フェアトレード / 中小企業 / 大企業 / BOP |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度はBOPビジネスの中でも,①BOP住民が生産者になるケース分析と②中小企業と大企業におけるBOPビジネスの比較分析への着手,③ソーシャル・アントレプレナーシップのサーベイ研究を実施した. ①に関しては,フェアトレードを代表とする事例の収集と分析である.10年以上フェアトレードを展開している12事業所へのインタビュー調査と,先行研究の検討を行った.特に現地サイトの生産者団体および仲介組織との信頼関係の構築,日本市場におけるフェアトレード商品のマーケティングの課題に関しての検討を進めた.日本市場において,フェアトレード商品の認知・理解度の向上は見られるが,顧客とのコミュニケーション戦略には大きな課題が残されており,コレクティブ・インパクト手法を用いたマーケティングの有効性を示唆した. ②に関しては,中小企業および大企業のBOPビジネスの事例を整理したところである.文献および複数回のインタビュー調査を終了した.今後,BOP先行研究との兼ね合いから,分析視点を定めて検討を進めていきたい. ③に関しては,ソーシャル・アントレプレナーシップの定義,位置づけ,課題について検討した.課題として,ソーシャル・アントレプレナーシップ研究では戦略的な社会問題解決の視点ばかりが先行しており,ソーシャル・アントレプレナーが担うソーシャルビジネスの経営プロセスの社会性に関する検討が不十分であることを検出した.したがって,今後は倫理学的アプローチにも取り組む予定である. これらの上記研究の成果は,今年度の刊行には間に合わなかったが,来年度にはその研究成果の一部が盛り込まれた編著書が出版される予定である.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究成果の一部を盛り込んだ本が,来年度出版されるため,おおむね順調と言える.
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Strategy for Future Research Activity |
大企業と中小企業のBOPビジネスの比較分析を進めるとともに,アントレプレナーシップの視点からのシステマティックレビューを実施して,これまで集めた事例の分析を行う. また日本のBOPビジネスの定量調査にも着手して,現段階における日本のBOPビジネスの特徴,各企業における位置づけ,戦略的意義などを明らかにしていく.
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Causes of Carryover |
当初予定していたよりも、消耗品などを節約して使用することができたため、次年度使用額が生じた。 本年度は、論文作成のための補足調査および学会発表のための旅費、資料収集と編集のための消耗品を中心に使用する。また定量調査に向けて専門的知識・助言を受ける他、アルバイトなど謝金にも充当する予定である。
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