2017 Fiscal Year Research-status Report
国際機関の人材育成システムと外国人国際公務員のキャリア形成に関する実証研究
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16K03918
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Research Institution | Kwansei Gakuin University |
Principal Investigator |
小西 尚実 関西学院大学, 総合政策学部, 准教授 (90510082)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 国際人的資源管理 / グローバル人材育成 / キャリア開発 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、国際機関の人材育成システムを丁寧に解き明かし、外国人国際公務員管理職へのインタビュー調査により、既存のキャリア学説との 関連を絡ませながら、国際公務員のキャリア形成の実態を解明することが目的である。本研究課題2年目となる2017年度は、主に次の3点に焦点をあて研究を進めた。一、2016年度に実施したインタビュー及びアンケート調査の集計、分析と結果の解釈を行う、二、国際機関の人事制度の最新の情報の入手(海外調査の実施)、および、三、すでに実施した調査対象者のパーソナルなキャリア形成プロセスをケーススタディーとして執筆、である。2017年度はおおむね、この3つの目的は果たせたといえる。上述二の、海外調査に関しては、日本国内では入手が難しい最新の情報収集のため、昨年に引き続き国連UNESCOフランス・パリ本部に再度足を運び、詳細のインタビューを実施した。さらに、資料室で最新の情報の入手もでき、大変有益な海外調査であった。また、三のケーススタディ執筆に関しては、グローバルに活躍する外国人国際公務員のキャリアパスは、特に将来的に海外で活躍をしたいと志望する若者たちにとって大変貴重なロールモデルとなるため、“Global Competency and Professional Development; Case Study in the U.N”というケーススタディとしてまとめる作業を行った。特に、日本の喫緊の課題でもあるグローバル人材育成政策においては、ビジネス現場で使える本当の英語力が重要となる。本研究の成果でもあるケーススタディは、英語で執筆し、大学の授業を中心に広く学生たちへの指導の際の教材として活用することができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2017年度は、今までの研究の一部を成果としてケーススタディを英語で執筆し、教材として大学等の授業などで広く活用するなど、おおむね順調に進んでいるものの、国際機関で入手した資料やインタビューの整理、分析等には予定以上に時間がかかっているのが現状である。特に、国境を越え専門分野を広げながら複雑なキャリアパスをたどっている国際公務員一人一人の経験のライフとキャリアの経験を丁寧に紐解く作業には時間がかかり、また、同じ調査協力者に追加でのインタビューやアンケート調査を依頼する必要性があった。また、2017年度に調査を予定していた調査協力者の中に、急なスケジュールの変更を余儀なくされ、予定していた調査が行えず、次年度への持越しとなったため、調査に多少の遅れが生じた。しかし、このような状況は想定内の範囲である。
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Strategy for Future Research Activity |
本研究は、先行研究が非常に少ない領域で推進している。今までに得られた研究の成果を基に、最終年となる2018年度は次の2点の研究成果を実現するよう引き続き研究に邁進したい。今年度の成果としては、1、英語で論文を執筆し、海外研究雑誌に投稿する、2、調査対象者の個々のケースを、サクセスフルな体験として、ケーススタディを日本語と英語の両方で執筆し、教育の実践の場など広く一般社会においてグローバル人材の働き方やキャリア形成の手法を認知してもらう機会を設けたい。
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Causes of Carryover |
2017年度3月末に海外調査を実施したため、それにかかわる諸経費の一部の精算が次年度にまたがることになった。
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Research Products
(1 results)