2019 Fiscal Year Annual Research Report
A study on the effect of multiple online reviews on the attitude of the recipient
Project/Area Number |
16K03925
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Research Institution | Gakushuin University |
Principal Investigator |
澁谷 覚 学習院大学, 国際社会科学部, 教授 (00333493)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 複数クチコミ / オンライン消費者行動 |
Outline of Annual Research Achievements |
最終年度では、架空のオンライン英会話スクールを実験刺激として用い、スクールに関する架空のクチコミを2種類用意した。1つめは「スクールとは無関係の中立のクチコミサイトに投稿されたクチコミ」として実験参加者に提示されたクチコミであり、2つめは「スクールのサイトに掲載された当該スクールの受講生によるクチコミ」として実験参加者に提示されたクチコミであった。実際には、両者の内容は同一であった。 事前の想定どおり、全体では複数クチコミの正負比率が正8負0である条件より正4負4の条件の方が、実験参加者の英会話スクールに対する態度は低くなった。このことは、クチコミ発信者がマーケターである場合(プロモーショナル条件)でも非マーケターである場合(ソーシャル条件)のどちらにおいても同様であった。また実験参加者がクチコミを参照するより前に態度形成を行っている条件でも、態度形成を行っていない条件でも、同様であった。 複数クチコミの発信者がマーケターである条件(プロモーショナル条件)より、非マーケターである条件(ソーシャル条件)において、正のクチコミが参照者の態度に及ぼす正の影響が大きかった。 ソーシャル条件においては、複数クチコミを参照するより前に態度形成を行っている条件(態度形成あり条件)より、事前に態度形成を行っていない条件(態度形成なし条件)において、実験参加者の英会話スクールに対する態度が高くなった。しかしプロモーショナル条件においては、態度形成あり条件と態度形成なし条件との間に差は見られなかった。 この結果は本研究の当初の想定において示され、2018年に実施した実験から得られた結果の逆であった。しかしこの点については、実験後に手書きで回答してもらった各実験参加者による詳しいクチコミや感想、実験中に提示された刺激に関する記憶などを用いて、今後テキスト分析などを実施し、考察を進める。
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