2018 Fiscal Year Annual Research Report
Research on Logistics Outsourcing and Environmental Management
Project/Area Number |
16K03934
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Research Institution | University of Hyogo |
Principal Investigator |
兒山 真也 兵庫県立大学, 経済学部, 教授 (30305677)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | ロジスティクス(物流) / 外部委託(アウトソーシング) / 環境規制 / 電動化 |
Outline of Annual Research Achievements |
ロジスティクスの外部委託の拡大傾向が続いている。その目的はいまだ低コスト指向が強いとはいえ、高度化・機能強化・小口化対応・グローバル化対応・CSR/ESGといった要請も拡大要因である。本研究ではロジスティクスの外部委託が、荷主企業の主要な経営課題及び環境経営に対して、いかに効果的であるか、またどのような経路で効果を発揮するかを明らかにすることを主な目的としていた。 平成30年度の主な課題は、自動車の環境技術が電動化を鍵として根底から変革する中で、商用車(トラック)や産業車両(フォークリフト等)のイノベーションの段階と、変化の促進要因の従来との異同、また変化に対するロジスティクス事業者の役割を明らかにすることであった。 小型電気トラックは量産化が立ち上がりつつあり、小型産業車両の国内販売はすでにバッテリー式がエンジン式を上回るが、後者においては燃料電池により勢力図が一新される可能性もある。大型電気トラックは試行段階にとどまる。大型トラック、大型産業車両ともにディーゼル・エンジンが相当期間、生き残る可能性が高いが、燃料電池には可能性がある。 ディーゼル・エンジンを前提とした環境規制の時代と比較し、いかなる自動車技術が勝ち残るか予測がより困難となっていること、政策による特定の技術の禁止、技術開発及び普及への強い支援、技術標準化等において、各国の環境政策が産業政策としての意味を強く持つに至っている。プレイヤーとしての中国の台頭も大きな変化である。自動車・車両メーカーのみならずロジスティクス事業者及び荷主にも、環境規制の遵守のみならず事業を通じた持続可能性への貢献が求められており、事業者間に環境対応の要請の連鎖が生じている。またロジスティクス事業者は環境対応車の大口需要家であるとともに、自ら環境対応車の開発・生産に関与するなど、商用車・産業車両と乗用車とでは異なる競争構造がみられる。
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