2018 Fiscal Year Research-status Report
企業間・異業種連携による被災企業の商品開発手法と市場適応性に関する実証的考察
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16K03935
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Research Institution | Miyagi Gakuin Women's University |
Principal Investigator |
石原 慎士 宮城学院女子大学, 現代ビジネス学部, 教授 (20364325)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鈴木 英勝 石巻専修大学, 理工学部, 准教授 (80306068)
湊 信吾 石巻専修大学, 経営学部, 教授 (70219690)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 被災企業 / 地域性 / 未利用資源 / 販路開拓 / 消費受容性 / 市場適応性 |
Outline of Annual Research Achievements |
2018年度は、研究代表者が2018年3月に右眼の手術を受け、退院後の療養に時間を要したことから研究活動が大幅に遅れた。しかし、視力が回復した9月以降は、実証事業や消費者調査等の研究活動を実施することができた。 今年度は、宮城県石巻市の水産加工会社(被災企業)と連携し、大手メーカーの製品や大手流通事業者が手がけるPB商品との差異化をはかるため、サンマ・ツノナシオキアミ・海藻といった石巻地域産の原料を活用した練り物製品の開発を試みた。そして、製品の市場適応性や消費受容性について考察するため、宮城県内(仙台市・石巻市)・東京都内(豊島区・江東区・八王子市・清瀬市)、青森県内(弘前市)のスーパーマーケットで消費者調査を実施した。 また、2018年12月からは、レトルト加工を施したサバの中骨(水産加工残滓)を冷凍すり身に配合した焼ちくわを開発し、宮城県内(石巻市)において消費者調査を実施した。 いずれの調査においても、食味に関する項目については消費者から高い評価を得ることができるとともに、販売実績についても良好な結果を得ることができた。また、一般的に流通している製品との差異もある程度認識され、高品質・高価格帯の製品を取り扱う高級スーパーのバイヤーからも高い評価を得ることができた。 しかし、主に大衆品を取り扱う店舗からは「納入価格が高い」との指摘を受けることがあった。さらに、納入価格を下げるため、内容量の変更を要請されることもあった。近年では、食品メーカーやPB商品の開発を手がける事業者が高価格帯製品と低価格製品の双方をラインナップ化し、顧客層に分けて出荷するケースも見られるが、小零細規模のメーカーにおいて製品ラインナップを拡張することは様々なリスクを発生させる要因になることが懸念される。2019年度は、小零細メーカーにおける製品ラインナップに関する考察も行っていきたいと考えている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
【研究実績の概要】でも述べたが、研究代表者は本研究の期間中に眼の疾患を患い、2度にわたる手術を受けた。このため、当初予定していた研究期間(3年)では、研究事業を終了させることができなかったため、2019年度までの延長申請を行った。 しかし、宮城県石巻市の水産加工会社(被災企業)の協力を得ることができたため、地域性を生かした製品の開発作業や消費者調査などの実証事業自体は順調に遂行することができている。また、消費者調査についても、宮城県内に加え、東京都や青森県において実施している。 延長申請した2019年度は、実証事業を継続するとともに、従来までの各種調査活動で得たデータを集約しながら学術論文等の執筆を行っていく予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
本研究事業の最終年度となる2019年度は、自然科学系を専門領域とする研究分担者と連携しながら、産品の有用性に関する分析を行うとともに、実証事業で協力を得ている水産加工会社に対して質的優位性を高めるための方策について提言していく予定である。 また、流通分野に関する研究では、2018年度までの実証事業で収集したデータを分析しながら、東日本大震災で被災した企業の製品開発のあり方についても考察していく予定である。 このほか、2018年度までに実施してきた地域間連携事業(被災企業と他地域の小零細事業者との連携事業)に関する実証事業については、宮城県石巻市の水産加工会社と島根県の食品メーカー間におけるアライアンス体制を構築し、2019年3月末までに実証事業に着手するできる見通しが立ってきたため、継続的に事業を推進しながら事業の有効性について検証していく予定である。 なお、2019年度は本研究で取り組んできた研究活動を集約し、共同研究者とともに学術論文の執筆に取り組んでいく。
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Causes of Carryover |
2018年度は、研究代表者が眼の疾患に罹り、2018年3月に手術を受けたあと療養を行った。次年度に使用額が生じた理由は、このような経緯が主として関係している。なお、研究分担者の支出も実質的には無かったが、この理由についても前述の研究代表者の療養と関係する。2019年度は、研究分担者が被災企業製品の分析作業を推進する計画を立てており、その費用を計上している。また、研究代表者は2018年度までに実施してきた実証事業を継続的に実施するため、旅費を主として計上している。
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