2016 Fiscal Year Research-status Report
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16K03937
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Research Institution | Mejiro University |
Principal Investigator |
越川 靖子 目白大学, 経営学部, 専任講師 (40550968)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | ブランド・イメージ / 音楽的特徴 |
Outline of Annual Research Achievements |
10代後半と20代前半の男女計80名の学生に、匿名でアンケートを行なった。アンケートは3部構成で、第1部は、個人の音楽的好みや傾向を問うもので、所要時間は1時間で行なった。ここでは、保護者の音楽的傾向も聞いており、子供への影響の有無も把握した。第2部では、8ブランドのロゴとブランドネームを見せ、ロゴから浮かぶイメージとそれにあったBGMを記述させた。この8ブランドは、学生に馴染みのあるものから知らないものまで取り入れた。第3部では、ブランド名およびロゴを見せずにアパレルブランド4ブランド、レディースおよびメンズ各2ブランドの写真(ルックブック等)をスライドにしたものを見せ、ブランドのイメージとそれに合うBGMを記述させた。この4ブランドは、アンケート第2部で既に提示しているが、気づいた学生はほとんどいなかった。 アンケートに参加した学生は、軽音楽部やダンス部のように常に音楽を聞いている者から、一般的な学生まで幅広く取り入れた。それによりわかったことは、流行曲「前前前世」や「恋」は幅広く支持されているものの、圧倒的な支持というほどではなかった。つまり、一般的なイメージと若者は若干ズレがあるといえる。ブランドイメージからは、ターゲットが学生よりも年齢高めなブランドでは、自分より大人つまりまだその領域にいないという理解から、洋楽(Maroon5等)やジャズといった音楽を提示した回答が多かった。一方、ターゲット年齢の近いブランドは、若者に人気のあるグループや曲の回答が多かった。 若者の洋服のイメージと音楽的傾向を知ることは、今後の世代的な好みや購買時への影響を把握する上で、大きな意味を持つ。特にファストファッション全盛において、ブランドのイメージづくりに欠かせない情報を得られたことの意義は大きいといえる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
現在まで、2016年度予定はほぼ当初予定通り進んでいる。10代・20代の学生約80名を対象に、音楽の好み、個人の価値観、好きなブランド等のアンケートを行った。これらの内容・項目によって、若者の傾向を把握することができた。音楽のみで与えるイメージのアンケートでは、過去の音楽経験の影響、視聴・ライブ・好み、といったものの影響について得ることができた。また、保護者等の音楽的影響を受けているか否か、つまり、親の好きな音楽が子への好みに何らかの影響を与えているかどうかについては、肯定的な結果とはいえないことがわかった。これらにより、若者の音楽的好みと服や音楽に対するイメージの捉え方をつかむことができた。音楽が多様化するにあわせて、その好みも様々である。しかし、共通項となるものはあるようである。さらに分析を進めていきたい。 音楽要素、リズムやテンポ等、の詳細な影響まではまだ分析しきれていない。しかし、日本人が文化的に好むとされている音楽的特徴に関しては、日本文化が希薄化してきているといわれる昨今において、まだ好ましいと感じる傾向にある。 敢えて指摘をするのならば、アンケート参加の学生数をさらに増やすべきということである。100名を予定していたが、80名程度にとどまってしまった。さらに数を増やすのであるならば、2017年度の研究計画である実店舗調査と並行して行うか、もしくは、初期段階で行うことを検討している。
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Strategy for Future Research Activity |
2017年度は、アンケートの数を増やすため、学生への呼びかけおよびアンケート参加を促す。これと同時並行で、音アンケート結果等を基に、音楽の各要素が与える影響に関して分析を行う。これらを基にして、論文を書き学会発表へとつなげていきたい。 実店舗においてBGMの効果を調査する。店舗においてBGMがブランドイメージを醸成するか否かという本研究の主要な部分である。現在、企業の協力を仰いでいるが、現業でのタスクやノルマによる困難さから、良い返事をもらえていない。再度協力依頼を行う。 協力が得られた場合は、イメージの異なる2ブランド、同一企業で2ブランドもしくは別企業で各1ブランド、においての調査を行う。実店舗への来店顧客を対象に、ハガキDMを送付する。店舗では、2016年度で得られた結果を基にしたBGMを店舗で流し、その反応や滞留時間、購買状況を観察する。 実店舗で行えない場合は、2つの解決案を考えている。1つは商材をお借りして擬似店舗を作成し、実験調査を行う。この場合、学生に参加協力を得て行うが、アイカメラ等を着用させ顧客の視点の動き等もあわせて、観察する。この場合は、数ではなく、調査の質を高めたい。つまり、実店舗で顧客に対して行えないような、アイカメラ等を用いる実験を行う。2つは、実店舗の店内をビデオ撮影した映像にBGMをのせ、それをアンケート参加者に見させ、ブランドイメージと音楽のフィットを調査するというものである。この2つの解決策両者ともあわせて行うことも検討している。
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Causes of Carryover |
まず1つにアンケートが想定数に足りていないことが挙げられる。使用できる教室の問題から、5限、6限での実施となり学生がアルバイトを優先したたことに起因する。予定では、さらに20から30名に対して、実施する予定であった。 2つに音楽CDおよびダウンロードでの、音楽情報未購入が挙げられる。研究者本人の保持するデータで対応できていることが挙げられる。また、アレンジによって音楽データをそれぞれ購入予定でいたが加工できるソフト購入により、経費削減となった。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
アンケートで得たブランドと音楽のイメージによって、店舗でのブランドイメージを醸成できるかである。実際購買に至る顧客に対しての、ダイレクトメール等の案内状および調査協力費として使用する。また、実店舗でできない場合は、商材をお借りするレンタル費用やマネキンの使用料、レンタルスペース代等がかかる。解決策2案ともに行う場合アンケート参加費用が想定より若干多めにかかる可能性がある。 さらに、音楽監修としてプロの方からアドバイスや指導を頂く。研究発表として、学会発表および論文発表に使用する。論文発表は国内だけでなく、国外に対しても行なっていく。
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