2017 Fiscal Year Research-status Report
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16K03944
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Research Institution | Chuo University |
Principal Investigator |
生田目 崇 中央大学, 理工学部, 教授 (10318222)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 消費者行動 / マーケティング / モデル分析 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成29年度は,実証分析の対象としてECサイトおよび実小売店を取り上げ,その購買データを中心として用いた実証分析を行った. そしてこれらのデータを用いて消費者行動モデルの検討並びに同時購買行動の評価を行った. 前年度,平成28年度においては規範的モデルを用いた分析を行ったが,平成29年度はより個人の嗜好や行動パタンに合わせたモデル開発を行った.すなわち,複雑な状況を加味するためのモデリングもしくは個人ごとのパラメータの推定といったモデリングを中心に行った. 研究成果としては,購買行動に関してはECサイトにおける購買行動要因の個人別パラメータの推定を行うとともに,その結果をもとに新たな顧客の購買予測を行う方法の提案を行った.また,再帰型ニューラルネットワークモデルを用いた購買並びにアクセス予測を行うモデルを提案した.さらに,顧客のペルソナ推定を購買生起モデルに組み込むことによる効果の検証を行った.これらのモデルについては従来の方法よりも高精度な予測ができることが示された. 購買以外についてはSNS上の書き込みデータから,コンテンツに関する消費者の興味の推移を評価する分析をおこなった.今年度は事例検討にとどめているが,今後は,こうした購買時点以外での興味の評価については複数の視点からの分析モデルの評価を行う予定である. 研究の成果は論文投稿並びにフルペーパーの国際会議での研究発表を中心に行った.なお,当該年度に計画していた既存の論文のレビューについて広範囲に行っているが,それらについてはそれぞれの発表論文内で詳細にまとめる形で公表している.またこれらの研究成果のいくつかは審査の結果,英文論文誌に掲載された.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
データ分析の現状としてはおおむね計画通りであり,複数種類のデータを用いたモデル開発と評価について進めている. 前年度と比較して,新たな視点を分析に加えたが,それらはいくつかの有効な成果につながっている.
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Strategy for Future Research Activity |
最終年度においては昨年度までのデータに加え,さらに別のデータを用いた分析を行う.特に,購買行動にすぐに結び付くわけではない消費者意識や,日常行動についての分析モデルの確立と評価を行う予定である.またこれらの結果を購買行動などの消費者行動と結びつけることで,新たな視点からの評価が期待できる.想定されるデータは,SNSなどインターネット上に投稿されたデータの他に,実際の店舗における顧客調査などであり,現在データ取得について進めている. また,平成29年度までに公表する予定があった社会に向けた情報発信については,成果を増やしてから行う予定である.ただし,研究で得られた知見については,すでに公表した学会誌における解説記事の一部に含まれている. これらを含めて,さらに購買過程や消費者行動に関する精緻なモデル化,並びに分析で得られた知見について一般的な消費者行動ルールの評価・検証などを行う予定である.
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Causes of Carryover |
購入余地のPCについては,既存の物を利用した.ただし30年度の分析のためにはリプレイスが必要と判断しており,新規購入する. 研究発表旅費については成果に合わせて行う予定であり,今年度の国際カンファレンスや国内学会での発表に予定を変更している.
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Research Products
(14 results)