2016 Fiscal Year Research-status Report
日欧ファッション企業における「新機軸の多角化戦略」の研究
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16K03967
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| Research Institution | Hannan University |
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Principal Investigator |
大村 邦年 阪南大学, 流通学部, 教授 (60611936)
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| Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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| Keywords | ビジネスモデル / 多角化 / ファッション / マーケティング / ブランド / アパレル |
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| Outline of Annual Research Achievements |
競争優位を持続する日欧ファッション企業は，顧客ニーズの成熟と多様性に適応させるため，異業種の専門特化企業との連携ネットワークを構築し，多角化によってビジネス領域を拡張させている。その要因は，経営資源である本業のブランド価値に専門特化という特殊性を加えて，新たな市場を創出することに依拠している。本研究では，ファッションビジネスにおいて市場創出を背景とした多角化戦略に着目し，「ブランド価値」「専門特化」「連携ネットワーク」を基軸とした視点から「新機軸の多角化戦略」の概念を構築し，その理論的枠組みを実証的に明らかにし，環境変化への顧客ニーズ適合化に資するモデルを提示することである。
平成28年度は，国内の研究対象企業への実証研究（インタビュー及び市場調査）を当初計画8社に対して，11社（延16回56時間）で実施した。この結果，「新機軸の多角化戦略」に対して，次の示唆に富んだ事例の発見を得ることができた。１．本業ブランド価値を有効活用させた付加的な多角化（本業補完），２．環境変化を機会とした多角化（ポジティブ挑戦志向），３．細分化から生まれる予期せぬ多角化（目利き力），４．企業組織を強化するための多角化（企業家精神の醸成），５．異業種コラボによる多角化（ブランド価値の重層化）である。また，理論研究ではDruckerの共通の「技術」「市場」，つまり現在の事業との共通性を基軸とした多角化の重要性について，実証研究で得た知見との正当性について検証した。その他PenroseやChandler，Ansoffの多角化に関する先行レビューに関して，獲得した知見に当てはめながら検証した。これらは平成29年度の研究活動に繋がる理論的枠組みの仮説検証の基礎となり，本研究の最終目的へ到達させるプロセスとなる。また，研究の中間成果は，学術書出版の1章，学会全国大会報告，講演会によって社会に向けて発信した。
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| Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成28年度の研究方法は，実証的研究(事例研究)と理論的研究の両面からのアプローチで構成されている。実証的研究は，研究対象企業への現地調査とインタビューであり，当初計画では海外企業4社，国内企業4社を計画していた。しかし，研究目的の成果精度を高めるために予定外の国内の多角化を推進する企業3社を加え，合計11社（延16回56時間）で実施することができた。その結果，本研究に必要な多くの示唆に富んだ事例を当初の計画以上に蓄積することができた。また，理論的研究は，先ず古典的といえるAnsoffやChandlerなどの研究文献レビューをおこない，プロトタイプの理論モデル研究の基礎固めをおこなう計画を達成することができた。
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| Strategy for Future Research Activity |
平成29年度は，1.文献・資料研究の継続，2.事例研究の継続，3.フィールドワーク・調査・分析，4.文献渉猟の継続，5.プロトタイプの理論モデル修正をおこないながら，モデルの精緻化に努めることが，中心的な作業となる。また，事例研究として，国外での現地調査及び研究機関での情報交換をおこない研究の深耕化を図ることが重要となる。
本研究成果は，国内外学術誌への投稿や中間報告書，学術書の出版，学会報告，所属する機関でシンポジウムをおこない社会へ発信していく。さらに，業界向けセミナーや講演会，大学ホームページなど，さまざまな広報活動を積極的におこない，成果の社会還元・普及をめざす。年度末に計画の見直しをおこない，予定の3ケ年で本研究を完遂させる。
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| Causes of Carryover |
費目「物品費」は，PCソフトウェアの購入を予定していたが，保有するソフトを転用したため，発生しなかった。費目「その他」は，中間報告書の印刷費を予定していたが，研究成果を所属機関の叢書に記載したため，作成しなかった。よって経費の発生はなかった。費目「人件費・謝金」は，実証的研究活動で対象企業担当者の専門的知識の提供に対する謝金を予定していたが，予定より少額となった。以上により，次年度使用額が生じた。
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| Expenditure Plan for Carryover Budget |
次年度の研究活動は，国外の多角化に関する現地調査と研究機関との情報交換をおこない，研究成果の深耕化を図ることが極めて重要となる。調査対象企業は，４社の予定であったが，６社に増やすことを計画している。よって，海外出張にともなう費目「旅費」が増えることが見込まれる。また，研究データの蓄積状況により，最適なPCソフトウェアの購入を計画している。その他の費目は，計画通りとなる。
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Research Products
(2 results)
