2018 Fiscal Year Annual Research Report
Research on the structure and innovation of retail service operation
Project/Area Number |
16K03969
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Research Institution | University of Marketing and Distribution Sciences |
Principal Investigator |
岸本 徹也 流通科学大学, 商学部, 教授 (00405929)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
矢作 敏行 法政大学, イノベーション・マネジメント研究センター, 研究員 (40230289)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 小売サービス・オペレーション / サービス・イノベーション / 顧客経験価値 / 小売業 / 店舗オペレーション |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究で目指したものは、小売企業の店舗の顧客接点に絞り、優れた経験価値を継続的に生み出す小売サービス・オペレーションや組織体制および漸進的イノベーションを生み出す要因について、事例研究による小売業態別の比較分析を踏まえ概念枠組みを構築するというものであった。 最終年度では、当初の目標であった食品スーパーとアパレル小売企業のサービス・オペレーションの比較分析までには至らなかったが、食品スーパーにおいて小売サービス・オペレーションに優れている小売企業の事例研究を通じて、漸進的イベーションを生み出す組織要因の一部について明らかにした論文を書き上げた。現場従業員の店舗での経験に基づいた知識をサービス・イノベーションに取り込み、さらにそのノベーションを組織に定着させる仕組みを作っていた。 アジアの流通研究者が集う研究会での公表を予定していたが、当研究会のワークショップが休止になったこともあり、私的な研究会で論文にまとめた内容をさらにブラッシュアップして報告を行った。中国出身の研究者に中国小売企業の現地調査をレポートにまとめてもらい、そのレポートに基づき、研究会などで議論を重ねていった。この議論と論文にまとめた小売企業の事例分析および他業態のインタビュー調査や資料研究を通じて、日本型小売企業のサービス・オペレーション・システムの特徴を探っていき、それがチェーンストア体制を基盤とした小売店舗の現場の力にあるのではないかという考えに至った。 この小売店舗の現場力は、優れた顧客の経験価値を生み出すだけでなく、全店舗で統一的に実施する標準化された施策を各店舗の異なる実情に合わせることにも効果を発揮する。 小売業の店舗は、従業員と顧客の双方にとって「よい現場・売場」になっていくことが大切である。そのことを明らかにする今後の研究への一つの道筋をつけることができた研究であった。
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Research Products
(7 results)