2017 Fiscal Year Research-status Report
地域ブランドの構築および崩壊に関するディスコース分析:沖縄の「長寿」を対象にして
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16K03971
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Research Institution | Okinawa University |
Principal Investigator |
豊川 明佳 沖縄大学, 法経学部, 講師 (20647226)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高木 俊雄 昭和女子大学, グローバルビジネス学部, 准教授 (80409482)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 地域ブランド / Place Branding / ディスコース研究 / Sap / 沖縄 / 長寿 / ブランドの陳腐化 / CMS |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、地域ブランドがいかに形成され、発展・変化していくかについて、ディスコース分析とStrategy as Practiceの知見を用いて検討することを目的とし、以下の4つの視点から研究を進展させている。それは、 (1)地域ブランドおよび対象業界についての文献・資料調査、(2) SaPの文献調査、(3)沖縄県の「長寿」という地域ブランドに関するディスコース分析、そして(4)新たな地域ブランド研究枠組みの提示、である。 初年度は、"place branding"というキーワードに合わせて、先行的研究のレビューを行った。国内と海外の地域ブランドに対する戦略的な意味の捉え方の違いなどの概念の理解を深めつつ、研究潮流を回覧し、先行研究の限界をみつけるように研究を進めた。 2017年度は、企業および自治体の当事者が、地域に存在するものの価値が見出されていなかった資源を、どのように意味づけし、価値を付与していったのか、についてさらなる研究を進めた。Place Brandは、地域の無形資産であるため、地域依存性が高く、また移転可能性が著しく低い。そのためこの地域ブランドの崩壊が、当該地域で活動する企業に及ぼす影響は大きいことから、持続的競争優位性の議論を用いてその特殊性とブランドの移転困難について研究を深めた。 また地域ブランドの価値の崩壊やイメージの変化により地域間差異が薄れ、ブランドが陳腐化され、衰退していくなかで、その当事者がいかにその意味づけを変化させていったのかについてもインタビュー調査を行った。 本年度の研究成果は、国際学会(The Association of Japanese Business Studies)で報告した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
今年度は、研究計画上の調査のみならず比較研究を行うためのインタビュー調査を実施することが出来た。この結果は、次年度以降の研究に良い影響を及ぼすものと期待される。また国際学会で報告し、国外の卦厩舎と議論をする機会も持てた。これらの点を考慮すると、研究はおおむね順調に推移しているのではないかと考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
今年度以降の研究も当初の研究計画に従って進めていく予定である。既存研究においては、地域ブランドの価値の喪失や脱構築に関わる研究は殆ど行われていない。そのため日本における地域ブランド価値の構築・衰退・脱構築に関するディスコース研究を緻密に行うことで浮かび上がってくる発見事項や新たなパターン化の流れをベースに新たな枠組みを構築し、今後の企業や地方自治体の地域ブランドの価値の構築や創造においても応用可能な地域ブランドの理論モデルを提言したいと考えている。また論文執筆および学会報告についても滞りなく準備をしていく。
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Causes of Carryover |
(理由)当初予定していた物品費を使用する必要がなかったため、2018年度繰越金が発生した。 (使用計画)繰越額は少ないため、2018年度は当初の予定通り使用する予定である。
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