2017 Fiscal Year Research-status Report
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16K03972
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
高橋 啓 長崎大学, 経済学部, 准教授 (70595280)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | Web広告 / 広告効果 / MCMC |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は主に次の2つの点について研究を行った; 1) 昨年度提案したモデルの消費者異質性を考慮するための階層化 2) 広告効果測定のための多椀バンディット・アルゴリズムの開発 前者については,昨年度提案したモデルであるAbhishek et al. が提案したモデルに動的な心理的効果を導入した隠れマルコフ・モデルを,消費者(広告接触者)の反応について異質性を捉えるために,ベイジアンモデリングによりパラメータの階層化を行った.具体的には,最終接触からの時間に応じて広告効果が下がる忘却効果,累積接触回数に応じて上がる刷込み効果,逆に累積接触回数に応じて下がる擦切れ効果の3つについて検討した.この結果,総じて異質性が高く,広告の心理的効果については個別消費者の差異が大きいことが確かめられた.忘却効果については異質性が低いものの,刷込み効果,擦切れ効果については異質性が高いという結果となった.このような結果となった理由として,対象サイトのコンバージョンまでの平均接触回数が約2回程度と低く,ほとんど刷込み効果が発揮されないで擦切れ効果を起こし,なおかつすぐコンバージョンもしくは離脱しているということが考えられる.継続的な接触をするECサイトではまた違った結果となる可能性がある.また,異質性を考慮したアトリビューション・スコア(どの広告がコンバージョンにどのくらい寄与したのかを数値化したもの)についても算出したが,異質性を考慮した場合,そのスコアの幅はその絶対的な値と比較し大きなものとなった. 後者については,昨年度提案したモデルを現実のサイト内で積極的に「制御」として活用する際に必要となるもので,実際のサイトで実運用が可能となるアルゴリズムを開発した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の予定どおり,モデリング,階層化までは順調に進展している.
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Strategy for Future Research Activity |
今後は,多椀バンディット・アルゴリズムの実装と,得られた研究成果の発表につとめる.
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Causes of Carryover |
当初計画になかった国際会議参加(OR2018)を次年度に行う必要が生じたため, その経費を捻出するため、一部を他経費で支出した.
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