2017 Fiscal Year Research-status Report
組織間コストマネジメントにおける協働の促進・阻害要因に関する経験的研究
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16K03984
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Research Institution | Ritsumeikan University |
Principal Investigator |
大浦 啓輔 立命館大学, 経営学部, 准教授 (20452485)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 管理会計 / 組織間管理会計 / 組織間コストマネジメント / 組織間コントロール / バイヤーサプライヤー関係 / 会計学 / 非営利組織 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、組織間コストマネジメントにおける協働の成否に影響を与える要因を抽出、検証することである。とりわけ、外部組織と利害の不一致を調整し、機会主義的行動を抑制すると同時に、目標一致あるいは行動の整合性を確保するためのメカニズムを有効に機能させる影響要因の解明に取り組んでいる。本年度の研究実績としては、1.わが国の自動車産業の部品取引に関するデータベースを作成し、取引の実態を把握した上で、部品サプライヤーにおける取引依存度を算出した。既存研究においては原価企画などのコストマネジメントにおいて開発の初期段階からサプライヤーを交えた協働が指摘されているが、そこにおいてどのような情報がコントロールのために用いられているのか、また組織間コントロールの実態が、取引関係によってどのような相違をもたらすのかについて、今後調査・分析を継続する。2.前年度に行った公的組織における業績管理システムの研究を拡張し、公的組織(自治体)における業務アウトソーシングとして指定管理者制度に関する実態調査を実施した。本調査では、わが国の自治体にたいして質問票を郵送し、環境特性および外部組織のコントロールにどのような情報をどのように利用しているかを明らかにすることを目指している。3.国内外の書籍および研究論文にかんする文献調査を継続的に実施した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度は定量的な調査に必要なデータを整備するとともに、必要な文献調査およびヒアリング等を行った。これらの成果は、今後より詳細な定量分析を行うために必要不可欠な基礎を提供すると思われるため。
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Strategy for Future Research Activity |
本年度は、昨年度に実施した郵送質問票調査についての定量的な分析を進めるとともに、その成果について学会報告および論文発表を行う予定である。また、わが国のバイヤーサプライヤー関係における組織間コストマネジメントおよび組織間コントロールの実態について、昨年度作成したデータベースに追加的な調査を行い、より詳細な定量的分析を行う予定である。
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Causes of Carryover |
フィールド調査等が近隣地域であったため、予定していたよりも少額の旅費となったことが理由として挙げられる。また次年度はフィールドおよび郵送質問票などを実施し、繰越額を使用する予定である。
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Research Products
(2 results)