2017 Fiscal Year Research-status Report
戦略的レピュテーション・マネジメントの理論フレームワークの構築
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16K04002
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Research Institution | Senshu University |
Principal Investigator |
岩田 弘尚 専修大学, 経営学部, 教授 (50406360)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | レピュテーション・マネジメント / コーポレート・レピュテーション / インタンジブルズ / 管理会計 / 戦略 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、コーポレート・レピュテーション(企業の評判)を形成する諸要因の関係性を実証的に明らかにするとともに、コーポレート・レピュテーションを戦略の視点から統合的にマネジメントする理論フレームワークを提示することであった。これらの目的のうち、後者については、文献研究に基づいてKaplan and Norton(2008)が主張する循環型マネジメント・システムをレピュテーション・マネジメントに応用した理論フレームワークとして発表した。今後は、提案したレピュテーション・マネジメントのフレームワークと戦略の統合度に関する実態調査を日本企業に対して実施する予定である。 また、前者の目的については、まずRBV(resource-based view)の理論、シグナリング理論、取引コスト理論のサーベイに基づいて、「コーポレート・レピュテーションが向上すれば、競争優位(ステークホルダー・ロイヤルティ)が高まる」という仮説をした。次に、過去に実施した消費者を対象とした質問票調査に基づいて、レピュテーションを形成する諸要因、すなわち、情緒レピュテーションと組織レピュテーションを明らかにするとともに、それらとステークホルダー・ロイヤルティの関係性を共分散構造分析によって実証し、結果的に仮説が支持された。 研究計画の最終年度は、以上の2つの目的から導かれた仮説、すなわち「レピュテーション・マネジメントと戦略との統合度が高い企業は、コーポレート・レピュテーションも高く、かつ競争優位を獲得している」という関係性を検証し、実証結果を戦略的レピュテーション・マネジメントの理論フレームワークに反映させる予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
研究計画に示した2つの目的について、それぞれ論文を1本ずつ執筆して一定の成果をあげている。しかし、日本企業におけるレピュテーション・マネジメントと戦略との統合度に関する実態調査については、質問票の設計までは終えているが、未だ実施ができていない。したがって、当初計画よりやや遅れていると評価した。ただし、平成30年度には確実に実施する予定であり、研究計画の遂行に支障はないものと考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
本研究課題は、平成30年度が最終年度である。そこで、まず進捗状況の欄で記した遅れを挽回するために、日本企業のレピュテーション・マネジメントの実態調査を早期に実施する。また、同時にコーポレート・レピュテーションを測定するReptrakのフレームワークに基づいて、最新のサンプルを集めるために一般消費者を対象とした調査を実施する。 2つの調査を終えたところで、それらの結果を統計的に分析することによって、レピュテーション・マネジメントの戦略への統合度とコーポレート・レピュテーションの関係性が明らかになるものと思われる。 さらに、その実証結果を本研究課題の最大の目的である戦略的レピュテーション・マネジメントの理論フレームワークの構築に反映させる。この過程では、戦略的にレピュテーション・マネジメントを行っていると回答した先駆的な企業へのインタビュー調査の結果も取り入れる予定である。 最後に、研究の進捗に応じて、研究会や学会での報告あるいは論文投稿(和文、英文)を予定している。
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Causes of Carryover |
(理由)実施を予定していた日本企業のレピュテーション・マネジメントに関する質問票調査について、設計を終えたものの、実施できなかったことが差額が生じた主な理由である。
(使用計画)日本企業のレピュテーション・マネジメントに関する質問票調査を平成30年度に実施し、当初の研究目的を確実に遂行する。
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