2019 Fiscal Year Research-status Report
固定収益会計による利益安定性メカニズムの解明―導入前と導入後の時系列分析―
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16K04012
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Research Institution | Meiji University |
Principal Investigator |
鈴木 研一 明治大学, 経営学部, 専任教授 (80309674)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 固定収益会計 / 利益安定性 |
Outline of Annual Research Achievements |
従業員の顧客ニーズ充足行動が顧客満足度や財務成果に影響を与えるかを検討するために,従業員アンケート調査データや顧客アンケート調査データ,マネジャーの変更といったホデータ,財務データを整備し,財務成果の先行要因と考えられる顧客ニーズ充足行動までのモデルを解析し,国際学会での発表を実施,英文プロシーディングスに掲載された。また,昨年度実施した解析のなかで,ダイバーシティ許容などの組織風土によって,モデルの適合度合いに違いがある可能性を見出し,今後の研究の発展を想定しながら,先行研究レビューを実施,量的調査を行い,CSR & Gender Equality in Japanに投稿し,採録が決まった(出版は20年度予定)。また,研究課題を遂行するなかでプロジェクトマネジメントへの適応可能性を見出し,Project Management Institute日本フォーラム2019での発表および国内学会での発表を行った。
[基礎的データ収集] 解析に必要となる従業員および顧客アンケート調査データを実施した。さらに,中期計画と利益計画にかかわるデータを入手し,同業他社との比較を行うとともに,インタビュー調査を行った。 [因果関係の解析] 従業員アンケートデータ・顧客アンケートデータを用いて,協働への動機づけメカニズムをSEM・交互作用項分析によって解析をした。また,顧客アンケートデータ・財務データを用いて,利益安定化メカニズムを隠れマルコフモデルによって分析した。 [リサーチサイトの追加]来年度,予定・準備していた海外のリサーチサイトでの調査が,コロナ禍のために困難となった。代替策として新たなリサーチサイトを探している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
[基礎的データ収集]基礎的データ収集:従業員および顧客アンケート調査によって,解析に必要となる基礎的情報を収集することができた。 [因果関係の解析・分析モデルの構築・実態把握]隠れマルコフモデルを用いた解析によって,製品市場戦略策定の基礎となる意思決定会計のフレームワークができつつある。 これまでの量的研究を踏まえて,管理会計学・ミクロ心理学・戦略論・組織論領域において関連する先行研究をレビューし,仮説の操作化・因果関係の理論的裏付けを行い,従業員心理に焦点をあてたモデルが完成しつつある。 [リサーチサイトの追加]来年度,予定・準備していた海外のリサーチサイトでの調査が,コロナ禍のために困難となった。代替策として新たなリサーチサイトを探しているが,現地に飛ぶことができずに難しい状況になっている。
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Strategy for Future Research Activity |
固定収益会計が利益安定化に与える影響にかかわる,これまでの研究結果に基いて,次の観点から論文を発表する(19年度に執筆を開始している)。 ・固定収益の安定性把握技法と経営戦略(英語) ・場の概念に基づく従業員の主体的行動と顧客満足(日本語) ・ダイバーシティと利益の安定性(英語) なお,本研究課題を将来的に書籍等でまとめることを視野に,その際に,縦断データを用いた妥当性の検証を提示するために,引き続き,基礎的データを積極的に収集し,量的質的解析を継続する。
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Causes of Carryover |
小額のため,時期に繰り越す。謝金で使用する。
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[Journal Article] Employee-customer Orientation and Communication through MCS: Empirical Study of Japanese Hotel Company2019
Author(s)
M., Kodama, J., Takaki, Y., Iwabuchi, R., Endo, and K., Suzuki
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Journal Title
Proceedings, 8th International Conference on Engineering Business Management
Volume: 1
Pages: 44-48
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