2019 Fiscal Year Annual Research Report
Social and Environmental Accounting Research through Graphical Financial Analysis
Project/Area Number |
16K04022
|
Research Institution | Kwansei Gakuin University |
Principal Investigator |
阪 智香 関西学院大学, 商学部, 教授 (10309403)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
地道 正行 関西学院大学, 商学部, 教授 (60243200)
|
Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2020-03-31
|
Keywords | 社会・環境会計 / 探索的データ解析 / 企業財務ビッグデータ / データ可視化 / 付加価値分配 |
Outline of Annual Research Achievements |
2016~2018年度は、世界の全上場企業の財務データベースを用いて探索的データ解析を実施した。主な研究成果は次の3つである。(1)付加価値分配の観点からの富の移転について、世界の全上場企業についてステークホルダーへの付加価値分配の実態を確認したところ、過去25年間で企業は従業員への分配を減少させ、利益を増加させていることが明らかとなった。(2)付加価値分配の1つである税金支払に着目し、企業の租税回避について、租税回避の蓋然性の証拠を示した。さらに、税率の引下競争により過去15年間に企業の実効税率と各国法定税率が世界規模で下方に収斂している実態を示した。(3)研究の再現可能性の観点から、データ前処理、ラングリング及び探索的データ解析の研究を行った。 2019年度の主な研究成果は次の3つである。(1)世界の全上場企業および非上場企業を含む全企業の付加価値分配や租税回避の実態を可視化し、地域別分析や国別分析から上記(1)(2)と同様の傾向を確認した。(2)140カ国における企業資本(総資産)と環境資本・人的資本・人工資本との関係を20年間にわたり分析した結果、人工資本や人的資本は企業総資産の増加とともに増えているが、自然資本は減少していることを示した。また、49カ国の企業のESG 活動スコアデータを分析し、スコアの高い企業の企業価値が高いことを確認した。(3)財務ビッグデータセットの前処理を並列化することによって処理速度の向上を試み、大幅に改善されたことを検証した。また、研究結果について、Sweaveを利用し、LATEXとRを協調して作成することによって再現性を確保した。なお、結果を得る工程を、ダイナミックかつインタラクティブなデータ可視化によって検証するためのWebアプリケーションをRStudio ShinyとRを用いて構築する方法についても確立した。
|
Research Products
(17 results)