2018 Fiscal Year Annual Research Report
Research on interviewer effects on reporting in an interviewer-administered survey
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16K04030
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
小林 大祐 金沢大学, 人間科学系, 准教授 (40374871)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 調査員効果 / 性別役割意識 |
Outline of Annual Research Achievements |
最終年度である平成30年度は,引き続き全国無作為抽出調査の個票データに調査員データが紐付けられたデータセットを用いた分析によって,性別役割分業意識への回答に対して,調査員の性別が持つ影響について詳細に検討を行った。その結果,調査員が女性の場合,年齢が高くなるほど性別役割分業について肯定的な回答をしやすい傾向が示された。この傾向は,年齢の主効果(男性調査員の場合の年齢の効果)がマイナスになっていることと合わせて考えると,以下の通り解釈できるだろう。すなわち,高齢者ほど性別役割分業に肯定的になる傾向があるが,調査員が女性の場合は,高年齢層にとっても性別役割分業を肯定しづらくなるという可能性である。以上の結果からは,ジェンダーに関する質問を含む調査では,面接調査員の性別を考慮する必要があると思われる。 これらの研究成果は,日本社会学会第91回大会において,統計数理研究所の前田忠彦准教授との共同報告(いずれも小林大祐がファースト)として発表されている。そして,現在は海外のジャーナルへの掲載を目指して投稿論文を執筆中である。また,研究課題に関連するこれまでの成果は,複数の招待講演においても発表されている。2018年8月に開催された同志社社会学研究学会第24回大会においては,「調査員の存在は調査票調査における回答内容に いかなる影響を与えるか:SSP2015データを用いた分析」というタイトルで特別講演を行い,2018年9月に開催された,「第1回人間科学フロンティア公開講座 最新データからみる階層と社会意識:共生社会の実現に向けて」では「SSP2015調査の調査モードの特性について :SSM2015との比較」というタイトルで講演を行った。
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Research Products
(5 results)