2017 Fiscal Year Research-status Report
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16K04048
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
石岡 丈昇 北海道大学, 教育学研究院, 准教授 (10515472)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | マニラ / 貧困地区解体 / 強制撤去 |
Outline of Annual Research Achievements |
今年度は、以下の三つの作業を進めることができた。第一に、近年のマニラの都市再開発をめぐる基礎資料を収集し、最新の動向をめぐるデータ集を作成した。第二に、ジェントリフィケーションをめぐる国際比較の見地から、他の都市における諸動向を分析した論文を集め、そこでの中心的論点を整理した。第三に、中心市街地の貧困地区から郊外へと強制移住させられた人々をめぐるデータをマニラおよびその他の東南アジア都市の事例から抽出した。 こうした研究結果をめぐっては、以下の成果に結実した。まず学術論文としては、「うわさと「疑いの世界」――マニラにおけるインフォーマル居住者の強制撤去と展開過程」という論文を『新社会学研究』第3号に投稿し、ピアレビューを経て掲載可となった。また「なぞること/立てることー対象の再構成をめぐって」という論考を『ソシオロジ』62(3)に寄稿した。さらに「癖の社会学」という論考を『現代思想』に寄稿し(vol45-6)、その上で「エスノグラフィー耳を傾け、書き残す」という研究方法に関わる論考を同じく『現代思想』に掲載した(vol46-6)。 このように順調に研究は進展しているが、最終年度となる2018年度においては、これまで二年間を通じて蓄積したデータを総括するようなまとめの作業に入っていく。とりわけ、中心市街地に位置づく貧困地区から、郊外の再居住地へと移住した人々の生活変動をめぐる分析を進めることから、本研究課題の考察を深めていく。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究実績の概要に記したように、順調に成果を公表することができているため。
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Strategy for Future Research Activity |
再居住地の仔細な分析をよろ重点的に実施していくことで、本研究課題の考察が深まるため、そこに今年度は力を注いでいく。
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Causes of Carryover |
本科研とは別の科研題目である国際共同研究加速の研究遂行のために欧州に滞在したために、予定していたマニラでの調査が翌年に繰り越しとなったため。
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