2019 Fiscal Year Annual Research Report
Women and religious civil society in Japan: Implications for participatory democracy
Project/Area Number |
16K04064
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
CAVALIERE PAOLA 大阪大学, 人間科学研究科, 特任講師(常勤) (10769582)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | ジェンダー / 宗教 / 災害研究 / 宗教的社会貢献活動 / エンパワーメント |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の基礎となったのは主に博士論文のための研究(2008~2012)での研究である。博士論文では宗教団体所属の女性の草の根の社会貢献活動、特に知識的資源および関係的資源に焦点をあてながらその社会的自己実現へ及ぼす影響やアイデンティティ変容を考察した。宗教とジェンダーが市民権と民主主義の概念を強化する市民参加を促進する2つの重要な要素であると明らかにした。この研究成果に基づいて取り組んだ本研究では宗教団体を母体とする女性のボランティアグループを対象に調査を行い、どのように、またどの程度の女性の参加が実際のエンパワーメントや社会参加の拡大につながり、民主化のための目的達成手段となりうるのかという点を明らかにしようと試みた。調査では避難生活や復興支援活動に関する女性の声を数多く収集している。これまで研究を継続してきた宗教団体である創価学会とGLA、それらの団体に所属する女性の避難生活や復興支援活動などに女性の視点を反映しながら検討した。調査対象者(32名)への聴き取り調査の主な分析課題は女性の視点を含めた災害対応を行った創価学会とGLAが、応急救援の初期から復興に至るまで宗教団体の女性が主体的に参加できる仕組みが整えられていたことで、復興資源への平等なアクセスの必要性を把握できたのである。これにより女性の災害脆弱性を高めている構造を救援や復興を通して修正していたことが明らかになった。女性の視点を含めた災害対応を行った創価学会とGLAが、被災者の多様性を念頭に置いて避難所の生活環境を整え、物資の供給を充実させることに成功していた。応急救援の初期から復興に至るまで宗教団体の女性が主体的に参画できる仕組みが整えられていたことで、復興資源への平等なアクセスの必要性を把握できたのである。これにより女性のエンパワーメントと社会参加の拡大につながっていることが明らかになった。
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Research Products
(5 results)