2018 Fiscal Year Annual Research Report
A Study of Urban Development in Canberra
Project/Area Number |
16K04066
|
Research Institution | Yasuda Women's University |
Principal Investigator |
野邊 政雄 安田女子大学, 心理学部, 教授 (90218347)
|
Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
|
Keywords | キャンベラ / 都市開発 / 田園都市 / 近隣住区論 / 人工都市 / 首都機能移転 |
Outline of Annual Research Achievements |
2019年度には、これまで実施してきた次のような調査を継続しておこなった。キャンベラに行き、キャンベラの都市開発に関する聞き取り調査を実施するとともに、国立図書館等で新聞記事の検索をおこなった。そして、都市開発がおこなわれた現場に行ってみた。さらに、自治政府の職員、開発業者、一般の住民が話し合うコミュニティ・カウンセルの集会に行き、都市開発についての意見の聞き取りをおこなった。2019年度の調査によって、都市開発に関する詳細な情報を更に収集できた。この調査によって、キャンベラは経済開発に重点をおいた都市に近年変化したことを明らかにした。それから、日本におけるオーストラリアの都市の研究に関する文献を検索した。 調査結果をまとめて2019年度に次の論文を発表した。野邊政雄(単著)「キャンベラの都市開発の変化」『地域社会学会年報』第31集、57-71頁、2019年(査読論文)。調査結果を用いて、2018年度に次の論文を発表している。野邊政雄(単著)「キャンベラの女性のパーソナル・ネットワーク」『日本都市社会学会年報』36号、63-79頁、2018年(査読論文)。 キャンベラが本格的に開発され始めたのは、1960年代からである。以前は、キャンベラはどこに行っても同じような施設があり、同じような広い庭のついた一戸建て住宅が並ぶ、地域による特徴のない都市であった。しかし、近年では、敷地面積の狭い一戸建て住宅や集合住宅が増え、地域による差異が大きくなってきている。今後の研究では、国勢調査のデータなどを利用して、キャンベラ内の地域分化を解明することが必要である。キャンベラはオーストラリア連邦の首都とするために人工的に建設された政治都市である。そうした歴史を持つキャンベラが都市内の地域分化という視点から今後どのように変化してゆくかを探究したい。
|
Research Products
(4 results)