2018 Fiscal Year Research-status Report
遺族によるグリーフケア活動と介護福祉における家族支援の連携にかんする社会学的研究
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16K04068
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
浅利 宙 広島大学, 社会科学研究科, 教授 (10399165)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 社会学 |
Outline of Annual Research Achievements |
今年度の研究実績は主に以下の3点にまとめることができる。 1)遺族グループ活動調査:今年度は2018年5月20日、7月15日、9月16日、11月17日、2019年1月20日、3月15日に定例会が実施され、活動状況を調査した。活動内容に関して大きな変化はみられないものの、継続的に活動を実施している点に大きな意義があると考えられる。一方で、中心メンバーの高齢化によって活動の継続が差し迫った課題となっており、今後の動向に注目する必要がある。 2)介護福祉におけるグリーフケアの動向:介護福祉士養成カリキュラムの見直しが進められていること、ならびに、研究協力者である遺族グループの参加メンバーによって介護福祉施設におけるグリーフケア活動(家族会)が計画されており、今後の展開が注目される。 3)海外の研究動向の整理:主にグリーフケアにおけるcontinuing bondsをめぐる議論の整理を中心に実施した。これ自体は必ずしも社会学分野の議論ではないが、この議論の論点のひとつに個人主義的な想定への批判と関係性重視への転換があり、社会学における個人化理論との接点やpersonal lifeの議論との接続可能性を指摘することができる。 当初、本研究は今年度が最終年度であったが、上述した状況のなかで終結させてしまうよりも、引き続き情報を収集し、結果を集約した方が充実した研究成果になると判断したため、来年度まで研究期間を延長することにした。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
基本的に研究課題については大きな問題もなく調査、情報収集を進めており、おおむね順調に進展しているものと判断している。来年度まで研究期間を延長するが、それは当初、予定していた調査の一部が実施できなかったこと、収集した情報の整理に時間を必要としていること、今年度の研究状況において注目すべき動向がいくつか残っていることについて考慮した結果である。多少、当初の計画通りに進まなかった点はあるが、研究期間を延長する対応を取ったことで、むしろ前向きに捉えたいと考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
来年度は研究期間の最終年度となる。引き続き調査、情報収集を実施しながらも、本研究全体の取りまとめの作業を行いたい。
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Causes of Carryover |
次年度使用額が生じたのは、当初、計画していた調査の一部が実施できなかったため(研究自体の遂行に大きな支障が出ているわけではない)。研究期間を延長し、適切に使用する計画である。
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