2019 Fiscal Year Annual Research Report
Sociological reserch of grief care by bereabement people and family support by nursnig welfare
Project/Area Number |
16K04068
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
浅利 宙 広島大学, 社会科学研究科, 教授 (10399165)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 社会学 |
Outline of Annual Research Achievements |
今年度は研究期間の最終年度となるので、研究期間全体を通した成果を報告する。主に以下の3点にまとめることができる。 1.調査の実施と支援活動の展開事例:まず、グリーフケアの活動を展開しているセルフヘルプ・グループの集団の変容過程について、事例調査の結果に基づきつつ、既存の研究では議論が不十分と思われる「再転換期」「継承・交代期」という時期の提示、ならびに、その具体的な様相の把握を試みた。また、本研究課題に関連する既発表の論文のなかで、特にWalterによる「次善の策」としてのセルフヘルプ・グループ活動に対する評価に言及したが、この点について、調査データと照らし合わせながら検討を行った。今後も、セルフヘルプ・グループを必要とする人びとは一定程度、存在すると考えられる。 2.介護福祉領域における取組について:次に、介護福祉領域における取組について、ターミナルケアやグリーフケアをテーマとしている医療系の研究会の報告や部会の内容について整理を行った。また、介護福祉教育におけるグリーフケアの位置づけや内容について、セルフヘルプ・グループに参加している研究協力者(介護福祉専門学校の教員)から情報提供を受けた。今後、在宅や施設における看取りの増加が予想されることから、終末期介護の実践経験の蓄積も進むと考えられる。グリーフケアについても、取り組むべき課題として関心を高めていくと思われる。 3.海外の研究動向:最後に、死別やグリーフケアに関する英語圏の文献の整理を行った。文献の種類は非常に多く、社会学の学説研究との接続を意識した議論のほか、多彩なテーマが取り上げられていること、ならびに、心理学や悲嘆研究との共同研究いったような、学際的な展開を示している点が特徴として指摘できる。具体的な内容の検討が、今後の大きな課題となる。
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