2016 Fiscal Year Research-status Report
島嶼への結婚移住をめぐる比較研究-フィリピン人を中心に
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16K04073
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| Research Institution | University of the Ryukyus |
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Principal Investigator |
野入 直美 琉球大学, 法文学部, 准教授 (90264465)
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| Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高畑 幸 静岡県立大学, 国際関係学部, 准教授 (50382007)
永田 貴聖 国立民族学博物館, 先端人類科学研究部, 機関研究員 (80551093)
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| Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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| Keywords | 徳之島 / 島嶼 / フィリピン女性 / 移住 / 介護 / 結婚移民 |
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| Outline of Annual Research Achievements |
共同研究者とともに徳之島におけるフィリピン女性の結婚移民についての調査を行った。徳之島町役場において人口動態、外国人住民の受け入れ施策の有無、外国にルーツを持つ子どもの教育をめぐる実態についてのヒアリングを行った、フィリピン女性が複数名、就労している老人介護施設を訪問し、施設長から、フィリピン女性を採用した経緯、職場におけるフィリピン女性たちの様子をうかがった。また、その施設で最も長期間、就労しているフィリピン女性から、仕事の内容、フィリピン女性職員どうしの助け合いの関係、フィリピンの親族ネットワークについてうかがった。最後に、フィリピン女性たちのビーチパーティーに参加し、出身地、移住の経緯、職種・職域、将来展望についての簡単なサーベイを行った。また、カトリック教会を訪問し、フィリピン女性の信者たちの教会への関与、ミサの出席やクリスマスなどの重要なイベントへの参加状況、海外移住者信徒に対する教会のとりくみについてうかがった。以上から、徳之島におけるフィリピン女性たちは、興行ビザによる来島と就労、知人・縁故を頼っての来島と就労、結婚と定住という過程を大まかな類型とするライフステージをたどっており、現在における重要な職場としては介護職が位置づいていることがわかった。
宮古島では、宮古島に在住するフィリピンルーツの若者と再会し、ライフヒストリーデータを更新した。島を離れて専門学校に通っていた若者が、Ｕターン後にどのような将来展望をもち、新たなネットワークを構築して就労の可能性を豊富化しているのかを聞き取り、そこにフィリピンルーツがどのような意味をもつのかについて考察した。
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| Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
徳之島では、フィリピン女性のキーパーソンおよびその配偶者につながることができたことで、友人や知人の紹介をいただき、教会や老人介護施設など、フィリピン女性にとって重要な意味を持つコミュニティに足を運ぶことができた。また、ビーチパーティー会場での簡単なサーベイによって、移住の経緯とその後のライフステージの展開の大まかな類型が抽出できた。一方で、日本語による会話では意思疎通はできても細やかな意識や考えを表現することには困難のあるインフォーマントがかなりの数を占めることがわかった。インタビュー調査は、タガログ語でやりとりがなされ、文字おこしには語学力を要するため、時間をかける必要が出てきた。
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| Strategy for Future Research Activity |
2017年度は徳之島を再訪し、前回、簡単なサーベイに協力をいただいたフィリピン女性の中でインタビューに協力可能な方を対象として、ライフヒストリー調査を実施する。それによって、より詳細な移住の経緯、島内ネットワーク、徳之島とフィリピンを結ぶトランスナショナルなネットワーク、カトリック信仰と家族生活などのテーマ分析を可能とする質的なデータを得ることができる。また、今年度は徳之島町だけではなく天城町も訪問し、島嶼地域における地方自治体レベルでの外国人施策、外国にルーツを持つ子どもの教育サポートの実態についても調べていく。
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| Causes of Carryover |
インタビューデータにタガログ語が多く含まれていたため、文字起こしと翻訳に時間を要し、年度中にデータ整理を終えきることができなかった。
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| Expenditure Plan for Carryover Budget |
昨年度に終えることのできなかったデータ整理の人件費に充てる。
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Research Products
(3 results)
