2018 Fiscal Year Research-status Report
米国新聞・雑誌における沖縄(人)の表象に関する基礎的研究(1995-2018)
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16K04074
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Research Institution | University of the Ryukyus |
Principal Investigator |
渡久山 清美 琉球大学, 人文社会学部, 講師 (70533991)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
渡久山 幸功 琉球大学, グローバル教育支援機構, 非常勤講師 (20412869)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | Okinawa / US Newspapers / US Magazines / US Military / framing effect / 沖縄(人)表象 / 在沖縄米軍基地 / フレーミング効果 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成30(2018)年度は、琉球大学附属図書館で可能な限り2016年~2018年の新聞記事のテキスト収集を継続し、質的分析を試みている。質的分析に関しては、より客観的な分析を試みるため、研究代表者と分担者が互いの資料を分析し、各々の分析を検証する体制を継続している。 研究代表者と分担者はともに、2019年4月にワシントンDCで行われるPopular Culture Association/American Culture Association で口頭発表が認められたため、共同で発表予定の"Representations of 'Okinawa' in US Newspapers (2016)"を執筆した。これまでほとんど取り上げられることのなかった「地位協定」や「思いやり予算」の問題に関して、端的であるが記事の中で言及されるようになったことと、その要因として、在沖米軍人による重大な犯罪や事故の多発や米国の大統領選挙戦などを挙げ、在沖米軍基地関連記事のフレーミングの変化を指摘した。沖縄に住む人々や、政治的・社会的リーダーの声、沖縄関連問題の研究者の声を積極的に取り上げていた点は、個々のジャーナリストの人権意識や沖縄の歴史や文化への理解度が影響していると分析した。しかし、沖縄の置かれている状況を正確に発信するためには、いまだ端的な言及に留まっている問題に関してさらに踏み込んだ報道が必要であり、その実現のための提言もまとめている段階である。同論文を口頭発表後、学会誌に投稿する予定である。 また、2020年2月のシンポジウム開催に向け、参加予定の研究者やジャーナリストと意見交換を行っている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
研究代表者の家族の介護が必要となったため、学会発表や論文投稿、シンポジウム開催等の計画が大幅に遅延している。2018年度後半は、2019年4月に米国で行われるPopular Culture Association/American Culture Association学会発表に向けての発表原稿の執筆を研究分担者と分担し、2019年4月に発表予定。2020年2月にシンポジウム開催を計画しており、招へいする研究者やジャーナリストとシンポジウムの方向性や発表内容について意見交換を行った。
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Strategy for Future Research Activity |
2019年4月に米国で行われるPopular Culture Association/American Culture Associationで研究分担者と共に発表予定。可能であれば、再度米国大学の付属図書館で新聞・雑誌資料・原紙、論文の収集を行い、記事の量的分析・質的分析・データベース化を進め、論文投稿につなげる。2020年2月に「米国新聞・雑誌における沖縄(人)の表象(仮)」に関するシンポジウムを開催する予定。招へいする研究者やジャーナリストと発表内容についての議論を重ね、準備を進める予定である。
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Causes of Carryover |
研究代表者の家族の介護が必要となったため、学会発表や論文投稿、シンポジウム開催等の計画が大幅に遅延している。 次年度は、可能であれば、米国の大学の付属図書館で新聞・雑誌記事やその原紙、関連する論文などを収集し、記事のデータベース化と分析を進め、論文投稿につなげる。2020年2月にシンポジウムを行う計画があり、県内外から招へいする研究者やジャーナリストとの打ち合わせを継続して数回持つと同時に、ジャーナリストへのインタビューも行う。
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