2018 Fiscal Year Research-status Report
再都市化に伴う都市問題の変容―社会学的再定式化と実証
Project/Area Number |
16K04086
|
Research Institution | The University of Shiga Prefecture |
Principal Investigator |
丸山 真央 滋賀県立大学, 人間文化学部, 教授 (80551374)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鰺坂 学 同志社大学, 人文科学研究所, 嘱託研究員 (60135960)
|
Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2020-03-31
|
Keywords | 都市問題 / 再都市化 / 都心回帰 / 大都市圏 / 社会学 / 都市政策 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、日本の主要大都市圏で1990年代後半以降進行している「再都市化」のもとで、どのような都市問題が顕在化し、社会的な課題を発生させているのかを明らかにし、「都市化」段階で進められた都市問題の社会学的研究を、今日の現実に見合うものへと更新しようとするものである。第3年目となる本年度は、次の3つの課題に取り組んだ。 第一は、研究の課題と方法を整理する作業であるが、そのひとつとして、今日の日本の大都市圏、とくに東京以外の大都市圏における都市問題に関するシンポジウムの企画運営に携わり、そこで本研究の成果を活用、発表した(その成果は学会ジャーナルの特集として近刊予定)。また、都市理論の新しい動向に関するワークショップの企画運営にも関わり、本研究の成果を活用、発表した。 第二は、大都市の都心・インナーエリア地区における問題発生状況と諸アクターの対応に関して、現地調査を通じて明らかにする作業である。これについては、大阪市中心部の事例地区を対象とした学会発表と研究書への分担執筆をおこなった(2019年5月刊行予定)。 第三は、日本の大都市圏の再都市化とそこでの都市問題を、歴史と国際比較の観点から位置づけなおす作業である。この課題は本研究で十分に達成できるものではなく、次期研究プロジェクトの課題となるものだが、可能な限り着手した。まず「都市化」段階との歴史的な比較という観点から、1960年代の東京都政を素材とした分析結果を、研究書に分担執筆した(刊行済み)。また、東アジアの大都市圏のひとつとして中国・韓国の大都市圏との比較検討をおこなうことをめざし、中国・上海の調査を企画した。ただ、後述のように、やむを得ない事情(自然災害による渡航不能)により本年度内の調査は見送り、次年度に実施することとした。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
日本の大都市圏の再都市化に関する分析視角の検討、および現地調査と実態把握については、おおむね予定していた課題を達成し、学会発表や論文牢による成果を発表できた。しかし本研究の知見を歴史的、国際的に相対化するという最終的な課題については、一部着手したものの、とくに国際比較に関しては、調査を企画したものの、自然災害に伴う空港閉鎖によって渡航できなくなり、やむをえず次年度に改めて調査を企画しなおすこととした。
|
Strategy for Future Research Activity |
次年度は最終年度となるため、論文執筆が完了しながら未発表のものについて、発表することが、まずひとつめの課題である。また、上述したように、国際比較の観点から現地調査を企画し、現地の研究者との調整もおこなったが、やむを得ない理由により実施不可能となったため、次年度に速やかに調査を実施する。
|
Causes of Carryover |
上述のように、本年度に実施するべく企画していた海外調査が、自然災害に伴う渡航不能により実施できなかった。そのため次年度使用額が生じた。この調査については、次年度に改めて企画し、実施する予定である。
|
Research Products
(5 results)