2016 Fiscal Year Research-status Report
東日本大震災における社会関係資本を活用した復興政策についての研究
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16K04093
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Research Institution | Gakushuin University |
Principal Investigator |
遠藤 薫 学習院大学, 法学部, 教授 (70252054)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 東日本大震災 / 復興プロセス / 社会関係資本 / 社会的ネットワーク / 信頼,結束 / ローカル・ガバナンス / 資源配分 |
Outline of Annual Research Achievements |
東日本大震災の復興政策では,社会的ネットワークの存在が重要視されている.とりわけ事業者の再建プロセスでは,事業者同士のネットワークがあるかどうかが,助成される際の大きな判断基準となっている.その結果,復興のスピードは,社会的ネットワークがあるか否かによって,大きな違いが生じている.以上の問題関心に即して,本研究は,震災以前・震災直後・復興期において,事業者がいかにネットワークを形成し,そのネットワークがどのように復興に影響を及ぼしているか,また、事業者のネットワークが,行政や市民セクターといかに連結しているか(ローカル・ガバナンスの構築につながっているか)について分析をおこなう. プロジェクト1年目で力を注いだのは,資料収集である.本研究に必要な参考文献のリストを作成しつつ,被災地で発行されている新聞・雑誌記事や各種ニューズレター、また当該地域の歴史に関する文献資料の収集に努めた. また,岩手県大槌町、および宮城県石巻市において,数度フィールド調査をおこなった。具体的には,石巻市において,複数の被災事業者に対して,大槌町では,被災事業者に加えて,まちづくり会社(復興まちづくり大槌)・行政職員に対してヒアリングをおこなった. また,事業者ネットワークを活かした復興政策が,どのような進捗を見せているかを,それぞれの地域において,情報収集と整理に努めた.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の計画どおり,関連文献の整理・レビュー,被災地における各種資料の収集,および事業者や行政などへのヒアリングを行うことができた.
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Strategy for Future Research Activity |
平成28年度に行ったフィールド調査をまとめつつ,引き続き,事業者に対するヒアリングを行う.また,宮城県女川町での調査が未実施のため,今後は,地域的な偏りがないように,調査研究の計画を進める. なお,平成29年度は,研究の中間報告を関連学会にて発表をおこない,そこでの成果を発展させて,査読誌への投稿準備を行いたい.
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Causes of Carryover |
データ処理謝金が計画に達しなかった.
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
フィールドワークのデータ処理に使用する予定である.
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