2017 Fiscal Year Research-status Report
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16K04101
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Research Institution | Tokai University |
Principal Investigator |
前田 泰樹 東海大学, 現代教養センター, 教授 (00338740)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
西村 ユミ 首都大学東京, 人間健康科学研究科, 教授 (00257271)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 医療社会学 / エスノメソドロジー / 協働実践 / 救命救急センター / 地域包括ケア |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、地域医療の中核を担う急性期病院において、看護職を中心とした複数の医療従事者たちが、どのような協働実践を通じて、患者へのケアを成し遂げているのかについて、明らかにすることを目的とする。H29年度は、救命救急センター病棟と外来でのフィールドワークと実践場面の録画及び看護師へのインタビューを行った。また、入退院支援関連部門での調査を開始し、外来看護師へのインタビューを行った。後者については、H30年度に継続し調査を行う予定である。 救命救急センターでの調査の結果の一部については分析を行っており、日本保健医療社会学会大会、International Institute for Ethnomethodology and Conversation Analysis 2017 Conference、2017 Qualitative Health Research Conference等で報告した。これらの研究においては、看護師たちの協働実践を分析することで、救急外来から病棟への患者の移動がどのような時間的・空間的な編成のもとで適切になされているのか、病棟へと入院してくる患者の状態の変化に応じた看護師の働きかけによってどのようにコミュニケーションが成し遂げられているのか、また、看護師たちの判断がどのように成り立っているのか等について、明らかにした。 また、これまで継続されてきた調査研究については、その方法論的な含意についても、日本社会学会等で報告等を行うことができた。これらもあわせて、急性期病院における協働実践に参加する人たちがケアを行うさいに用いている「人びとの方法論」の一端を明らかにした。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の研究計画では、H29年度においては、救命救急センターでの調査を継続しつつ、同意の得られた部門およひデータ入手方法を優先ししつつ地域医療連携部門の調査を開始し、H30年度へ向けて継続することになっていた。また、そこで得られた録音・録画データのトランスクリプト化、第一段階の分析、病院の協力者への内容確認等をおこない、H29年度の学会報告や論文執筆の準備をすることが予定されていた。研究実績の概要に示したとおり、当初の研究計画にそって、おおむね達成されていると評価できる。
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Strategy for Future Research Activity |
当初の研究計画とおり、H29年度中になされた救命救急センターの調査結果の分析をすすめるとともに、研究代表者の機関異動にあわせて、改めて倫理審査を受けた上で、入退院支援関連部門での調査を継続する。並行して、病院の協力者への中間報告や、分析結果のチェックを繰りかえし、論文化していく作業に重点が置かれる。また、研究成果については、各関連学会にて、順次報告していく。
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