2016 Fiscal Year Research-status Report
韓国放送と「歴史認識」:歴代8・15記念ドキュメンタリーに関する歴史社会学的考察
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16K04118
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Research Institution | Bukkyo University |
Principal Investigator |
崔 銀姫 佛教大学, 社会学部, 教授 (30364277)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
美馬 秀樹 東京大学, 大学総合教育研究センター, 准教授 (30359658)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 韓国放送 / 歴史認識 / ドキュメンタリー / 8.15 / ナショナリズム / 表象 / 民主主義 / 公共性 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、1961年開局以来現在に至る凡そ半世紀の間、韓国公共放送が毎年恒例的に制作・放送し続けてきた「8.15ドキュメンタリー」というイデオロギー装置における「歴史認識」の問題を検討することである。この研究目的を実行するため、近代韓国の約35年間に亘る「植民」の記憶が戦後「8.15ドキュメンタリー」というメディア装置の中で模索してきた「日本」という他者のイメージを前景とする韓国(韓国人)のアイデンティティの想像と創造の編制と歴史的な変容をめぐる表象の空間的な連続性(もしくは非連続性)を明らかにすべく、まず、平成28年度は本格的な分析研究の準備作業及び優先的な作業として次回のような研究実績を上げている。①研究対象の収集:過去凡そ半世紀にわたって放送された韓国公共放送(KBS)の歴代8.15ドキュメンタリーの182本を確保。また、対象となる182本のドキュメンタリー全てのテクストをハングルで書き起こした。②約40年間の韓国公共放送(KBS)の『放送年鑑(電子版)』の確保した。これは今後の研究のために重要な研究資料として認められる。③韓国公共放送(KBS)の年鑑をもとに、歴代8.15ドキュメンタリーのリスト作成した(1975年~2015年)。すなわち、このリストは今後の研究対象を一目瞭然にまとめた貴重なデータとして、現在時点において唯一無二の貴重な資料であると言える。④韓国放送空間の変容を理解するためには、短絡的な視界だけでは不十分なので、韓国放送を取り囲んだ韓国放送の歴史や韓国政治・社会動向、国際情勢、などをまとめた「年表」を作成して、テクストとコンテクストとの関係を一目で分かるように準備した。⑤表象の可視化のためのサイトを構築:現在はデータ入力実施中であるが、下記のようなサイトが完成している。:http://mimasearch.ocw.u-tokyo.ac.jp/test10/mimasearch
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成28年度の研究計画通りに、研究対象の確保や研究対象への基礎的な第一次的な準備作業、研究分担者の協力による表象の可視化のためのサイト構築が、完了しているからである。
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Strategy for Future Research Activity |
平成29年度には、下記の通りに進めていく予定である。 ①日本マスコミュニケーション学会(2017.6.17-18開催)ワークショップ報告 ②表象の可視化と構造化の作業の完了と分析 ③表象の文脈化作業:テクスト分析や言説分析による表象空間を解釈
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Causes of Carryover |
人件費の予算がもとの計画より大幅にオーバーしたため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
次年度の人件費に充てる予定である。
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Research Products
(1 results)