2016 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
16K04141
|
Research Institution | Wakayama University |
Principal Investigator |
金川 めぐみ 和歌山大学, 経済学部, 准教授 (70335496)
|
Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
|
Keywords | 母子生活支援施設 / アウトケア / 母子福祉 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、生活困難を有する母子家庭支援を行う「母子生活支援施設」における施設外支援(アウトケア)の現況と課題を分析するものである。母子生活支援施設は、ドメスティック・バイオレンス(以下「DV」とする)等により生活困難にある母子家庭に対し、生活支援および就労支援を行う社会的意義の高い施設である。だがそのあり方について、学術的にいまだ詳細な分析がされていない。本研究では、複合的な困難を抱えた母子家庭のニーズに対応できる母子生活支援施設はいかにあるべきか、とくに施設退所後のアフターフォローや地域連携を軸とした「アウトケア」の視点から、インタビューとアンケート調査を軸に、具体的な提言を行うこととする。 本年度の先行研究のレビューおよびデータの取りまとめでは、以下の点が明らかになった。①母子生活支援施設は、多様な生活困難を有する母子家庭を対象に、生活面や就労面から総合的に支援する施設であるが、これまで力を入れられてきたのは、主に施設内ケア(インケア)であるということ。②多重困難を抱えた母子家庭こそ、インケアと共に、施設退所後の母子のアフターフォローや地域との連携を通じて行う支援(アウトケア)に力を入れられなければならないし、地域の適切な理解を得、協力を得、施設退所後の母子の状況をフォローし、問題解決へと向かわせるアウトケアの力がさらに進展されていくべきこと。 以降の研究において、母子生活支援施設で、退所後のアウトケアはいかに行われているのかの現況と課題をさらに整理していくこととする。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
平成28年度において、母子生活支援施設のアンケート並びにインタビュー調査を実施する予定であったが、インタビュー調査先との連絡調整がうまくいっておらず、これは平成29年度以降の実施にすることとした。また、学内の倫理規程との関係上、アンケートの調査票も作成したものの変更を迫られており、そのため、平成28年度にインタビュー調査は実施せず、先行研究のレビュー及びデータのまとめ作業に注力することとした。
|
Strategy for Future Research Activity |
平成29年度は、インタビュー調査が実施できる算段がついたため、アンケート並びにインタビュー調査を実施する予定である。平成28年度に調整を行った結果、平成29年度には順調に実施できる見通しが立った。 さらに平成28年度に実施した先行研究のレビューおよびデータの取りまとめ作業において、当該対象施設における新たな課題も発見されたため、平成29年度はその点を詳細に検討する予定としたい。
|
Causes of Carryover |
平成28年度実施予定のアンケートおよびインタビュー調査につき、調査先との連絡調整が難航したため、平成29年度の当該実施を見送った。そのため、この分につき、次年度使用額として生じた。
|
Expenditure Plan for Carryover Budget |
平成29年度に、予定をしていたアンケート並びにインタビュー調査を実施することにより、この使用額を使用していく予定である。
|
Research Products
(2 results)