2016 Fiscal Year Research-status Report
高齢者の遂行機能に着目した排泄自立介入プログラムの開発
Project/Area Number |
16K04163
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Research Institution | Okayama Prefectural University |
Principal Investigator |
原野 かおり 岡山県立大学, 保健福祉学部, 准教授 (00390253)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
澤田 陽一 岡山県立大学, 保健福祉学部, 助教 (50584265)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 後期高齢者 / 排泄自立 / 遂行機能 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、排泄自立に関連する要因として遂行機能に着目し、それらの関係性を明らかにして、当該機能の介入方法のプログラムを開発することにより高齢者の排泄自立を促すことである。 本研究の独創的な点は、比較的元気な高齢者の尿失禁等の排泄障害の原因として遂行機能の低下に着目して、当該機能の改善により排泄自立が可能となるか否かを明らかにするところにある。また排泄自立に向けた遂行機能への介入方法を考案し、それらの有用性を検証することが本研究の学術的な特色とみなされる。 平成28年度は、調査の準備を行った。まず、先行研究を参考に、遂行機能のバッテリーを構築した。内容は、①Counting-backward test、②数唱(順唱、逆唱)、③言語流暢性課題、④Trail making test、⑤Stroop colour-word test、⑥Frontal Assessment Battery 、⑦遂行機能障害症候群の行動評価(日本版)とした。また、研究代表者、研究分担者、連携研究者、アルバイト間で調査内容の打ち合わせ、および実験方法のトレーニングを行った。被験者(対象者)の選定については、地域包括支援センターに協力要請を行い、特定高齢者または要支援高齢者のうち、認知機能、ADL、排泄状況の条件を満たす高齢者を募ったが、排泄が非自立であるかどうかの判断や聞き取りが困難ということで協力を得ることができなかった。そのため、地域包括支援センター以外で、通所介護、通所リハビリテーションに要請を依頼し、2名につき調査を実行したが、実験群としての条件を満たさなかった。 以前、加齢による遂行機能の低下と排泄自立との関係性を予備的に検討した結果、特定の遂行機能の低下が排泄非自立と関連することを確認したが、さらに予備的に若者と比較してみたところ、交互作用を認めることができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
地域包括支援センターに協力要請を行ったが、排泄が非自立であるかどうかの判断や聞き取りが困難ということで協力を得ることができなかった。そのため、地域包括支援センター以外で、通所介護、通所リハビリテーションに要請を依頼し、2名につき調査を実行したが、実験群としての条件を満たさなかった。引き続き、実験協力者を募集している。
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Strategy for Future Research Activity |
排泄非自立に特定せず、後期高齢者の排泄の状況と遂行機能について調査し、その後の聞き取り調査から、排泄動作の遂行についても確認していく。 協力施設を得ることができたため、今年度は調査を進めていくことが可能である。
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Causes of Carryover |
予定協力者を確保することができなかったためである。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
50~60名を目標に、実験を予定しているため、平成28年度に予定していた実験分も実施する。 実験時期が平成29年にずれ込むこととなったが、当初の使用計画で実施できる予定である。
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