2017 Fiscal Year Research-status Report
高齢者の生活環境がアンチエイジングに及ぼす検証ー日独日本人高齢者の比較研究ー
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16K04166
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Research Institution | Prefectural University of Hiroshima |
Principal Investigator |
三原 博光 県立広島大学, 保健福祉学部(三原キャンパス), 教授 (10239337)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | ドイツ / 日本人高齢者 / 生活環境 / アンチエイジング / 健康 / 認知症予防 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度の研究実績は、以下の2点である. 1.個別面接 シュットトガルト市在住日本人男性2名(61歳、70歳)、リューベック在住男性(71歳)1名に個別面接を実施した。個別面接では、ドイツにおける日常生活(食事、会話など)、健康状況、日本への憧れ、ドイツの老人ホーム入所、将来の埋葬の思いの情報を得た。2名の男性は国際結婚、1名は独身であった。国際結婚男性の1名はダウン症の障害の息子を持ち、ドイツ政府から支援金を受けながら、生活をしていた。また、最近、原因不明の頭痛に悩むことがあり、体調不調で、ドイツでの老後生活に不安を持っていた。他の2名は特に大きな病気はなく健康であったが、ドイツの異国生活の不安を軽減させるために、ドイツ在住日本人と碁、将棋、もちつきなどの日本文化の多くの交流の機会を持っていた.その他、重篤な肺疾患のため、酸素呼吸器を常時着用し、在宅で一人暮らしの日本人女性(71歳)を訪問し、在宅での生活支援状況、異国での死の問題についての情報を得た。 2.質問紙調査実施 ドイツ在住日本人高齢者の健康状況と比較するために、山口市在住高齢者を対象に健康状況の質問紙調査を実施した。質問紙調査は、厚生労働省による介護予防事業を目的に作成した基本チェックリストを用いた。高齢者77名から回答を得た。その結果、大部分の高齢者は「健康サロン」「宗教活動」に参加していため、健康は良好であり、認知症もなく、生きがいなどを強く感じていた。今後、この調査結果と前年度、実施したドイツ在住日本人高齢者の調査結果を比較し、異国と国内の高齢者のアンチエイジングの検証を行う。これら以外に、2018年9月のハイデルベルグ市でアンチエイジングを目指した国際研究集会の開催準備のために、2018年3月にドイツを訪問し、関係者と打ち合わせを行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
ハンブルグ、ハイデルベルグ、シュットトガルト、ミュンヘンの日本人高齢者自助団体の代表者と会合し、2018年9月にハイデルベルグで在独日本人高齢者の研究集会の開催について打ち合わせを行った。この研究集会の実施を通して、ドイツ各都市の日本人高齢者のアンチエイジングの取り組み、寝たきり・認知症予防、日本人高齢者の支援状況の情報交換を行う。同時に、参加者にアンチエイジングに関する質問調査を実施する予定である。 ドイツ在住日本人高齢者を対象とした質問紙調査の実施は一般的に難しい。ドイツ在住日本人高齢者の居住地がドイツ各地に分散しており、集合調査の実施が困難であるからである。このような状況にありながらも、2016年のドイツ在住日本人高齢者58名からの回答に加えて、今回、2017年3月までに48名からの回答を得た(合計106名)。そして、日本人国内の高齢者への質問調査では、今年、新たに山口市高齢者77名から回答結果を得、2016年の回答者40名と合計し、全体で117名からの回答を得た。個別面接は、2017年9月、3名の日本人高齢者男性と実施することができた。ドイツで老後を迎える日本人高齢者の大部分は女性であり、日本人男性は少数である。3名の日本人男性の個別面接から、現地日本人と碁、将棋などの日本文化を通して、ドイツで充実した生活を過ごして行くことが認識できた。今後、ドイツの日本人高齢者の男女の性別の相違によるアンンチエイジングの検証も必要になると思われる。
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Strategy for Future Research Activity |
当初、ドイツ各都市での小規模な講演会を企画していたが、ドイツ在住日本人高齢者自助団体から、時間的・参加人数の制約があり、各団体の連帯・相互交流を含めて、大規模な集会の開催要請の依頼が出てきた。そこで、2018年9月にハイデルベルグ市において、ドイツ各都市の日本人高齢者自助団体、日本の医療福祉関係者(介護福祉士、看護師、理学療法士、社会福祉士)共同で、「高齢者の生活環境がアンチエイジングに及ぼす検証」の国際研究集会の企画を進めており、企画実現に取り組んでいる。国際研究集会には、ミュンヘン、デユッセルフドルフ、フランクフルト、シュットトガルト、リューベック、ベルリンなどのドイツ各都市の日本人高齢者自助団体代表が参加を表明している。また、日本からも既に複数の保健医療関係者(理学療法士、看護師、介護福祉士)が研究集会への参加希望表明をしている。以下が現時点でのプログラム内容である。①日時:2018年9月15日:ドイツハイデルベルグ市、②科研費による日独高齢者アンチエイジング調査結果報告③ドイツ各都市日本人高齢者自助団体アンチエイジングの取り組み、④ドイツで老後を迎える日本人高齢者への保健医療福祉サービスの検証、この研究集会の実施を通して、ドイツ各都市の日本人高齢者のアンチエイジングの取り組み、寝たきり・認知症予防、高齢者の支援状況の情報交換を行う。同時に、参加者にアンチエイジングに関する質問調査・個別面接を実施する予定である。研究集会がドイツ日本大使館・領事館などの行政にドイツ在住日本人高齢者の介護支援を要望する機会になると思われる。
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Causes of Carryover |
2018年9月のハイデルベルグ市でアンチエイジングを目指した国際研究集会を企画しており、参加者の旅費、宿泊費、研究協力の謝礼などの費用などの支払いを計画していため、2017年の予算の実施を控えた。この集会の打ち合わせのために、2018年3月にドイツ訪問のために2017年度予算の一部を実施した。 2018年9月のハイデルベルグでの国際研究集会には、ミュンヘン、シュットトガルト、フランクフルト、ベルリン、デユッセルフドルフ、リューべックの日本人高齢者自助団体から合計20名が参加予定である。そこで、平成29年度に生じた未使用額490000円を国際研究集会に使用する予定である。具体的に言えば、これらの参加者への旅費、宿泊費、研究協力謝礼を支払う予定である。そして更に、研究実施者、研究補助者のドイツ渡航費に使用する計画である。
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Research Products
(2 results)