2016 Fiscal Year Research-status Report
内部障害を有する難病患者の身体的・心理社会的問題抽出のアセスメント指標の開発
Project/Area Number |
16K04187
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Research Institution | Teikyo University |
Principal Investigator |
筒井 秀代 帝京大学, 医療共通教育研究センター, 講師 (30569330)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
菊地 弘敏 帝京大学, 医学部, 准教授 (80338681)
野村 恭子 帝京大学, 医学部, 准教授 (40365987)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | ベーチェット病 / 難病 / 身体的問題 / 心理社会的問題 / アセスメント / 国際生活機能分類 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は,内部障害のように外見上からは問題が見えにくい疾患の難病患者が抱えている身体的・心理社会的問題を明らかにすることである。そのために,慢性再発性の全身炎症性疾患であるベーチェット病患者を対象として,「国際生活機能分類 (International Classification of Functioning, Disability and Health (ICF)」の項目を用いてアセスメント指標の開発を行った。 2014年から行っていた予備調査で作成した97項目のチェックリストの妥当性評価を行うために,帝京大学医学部附属病院膠原病内科外来に通院中のベーチェット病患者100名を対象に面接調査を実施した。調査は,同意が得られた患者に対して,研究代表者が1対1の40分から60分の半構造化面接を実施し,同時に自記式のShort Form-36 (SF-36)を用いた調査も行った。面接調査においては,ベーチェット病と診断されてから調査日までの間にチェックリストの項目について,問題を経験したか否かを回答してもらった。「問題を経験した」と回答した項目を「問題項目」と定義し,経験した問題の内容を具体的に尋ねた。 調査の結果,食欲や気分の低下や不眠,視覚機能,身体の痛み,疲労,消化機能,皮膚症状などの身体的問題,非言語的メッセージが理解できないことや会話,歩行,移動,食事,趣味などの日常生活に関する問題,気候や季節による症状の変化といった環境的な問題を半数以上の患者が有していることが明らかになった。 今後,これらの結果を用いて,内容妥当性評価,基準関連妥当性評価,構成概念妥当性評価を実施し,本チェックリストの妥当性評価を実施する予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成28年度に100名のベーチェット病患者の面接調査をすべて終了し,内容妥当性評価,基準関連妥当性評価,構成概念妥当性評価まで行う予定であった。しかし,面接調査の終了が平成29年度の4月になってしまったため,データ入力や妥当性評価などが5月現在にずれ込んでいる。したがって,進捗状況の区分を「おおむね順調に進展している」とした。
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Strategy for Future Research Activity |
今後,平成28年度に終了予定であった身体的・心理社会的問題を明らかにするためのアセスメント指標の妥当性評価を実施する。その後,このチェックリストに基づいた調査用紙を作成し,全国のベーチェット病患者に対して郵送調査を行う予定である。
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Causes of Carryover |
今後,郵送調査を予定しており,調査用紙の作成および郵送にかかる費用が高額となるため,今年度の交付金を全額使用せず,一部を次年度に使用することとした。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
郵送調査にかかる費用 (調査用紙送付および調査用紙返信用の封筒代,郵送代) の一部として使用予定
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