2018 Fiscal Year Annual Research Report
Prospective evaluation survey of Assertive Community Treatment in Japan
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16K04195
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Research Institution | Toyo University |
Principal Investigator |
吉田 光爾 東洋大学, ライフデザイン学部, 教授 (30392450)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
三品 桂子 花園大学, 社会福祉学部, 教授 (50340469) [Withdrawn]
伊藤 順一郎 国立研究開発法人国立精神・神経医療研究センター, 精神保健研究所 地域・司法精神医療研究部, 客員研究員 (80168351)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | ACT / 地域精神医療 / プログラム評価 |
Outline of Annual Research Achievements |
【目的】重症精神障害者への多職種アウトリーチチーム支援であるAssertive Community Treatmentは世界的に脱施設化の必要条件として認識されている。我が国での民間事業者の実践については十分な効果検証がなされていない。本研究では①民間ACT 事業者の利用者の予後を1年間追跡調査し効果評価するとともに、②支援の質の評価とアウトカムの関連を検討し、高水準の支援をしているACTの有効性を検討するものである。 【方法】本研究では11チームの協力を得て、平成29年4月~平成30年4月にACTを新規に利用開始した44名の利用者に1年間の追跡調査を行った。スタッフによる調査と自記式調査により、エントリー時点と1年後時点の状態を比較した。 【結果】1年間の地域滞在日数(開始時234.7±131.0日/1年後327.2±89.2日, p<.001)、個人的・社会的機能遂行尺度得点(開始時43.5±18.3/1年後:49.8±22.4, p<.01, t検定)、問題行動数(開始時1.4±1.2個/1年後0.7±1.0個 p<.001, t検定)に改善が見られ、社会資源利用数も伸びていた(開始時3.2±2.5個/1年後時5.0±2.1個, p<.01, t検定)。他方でGAFおよびサービス満足度は有意な差が認められなかった。また、地域滞在日数の改善度を目的変数とした重回帰分析の結果、事業所の支援の質の評価であるフィデリティ尺度得点が関連していた(標準化係数ベータ0.201, p<.05)。 【考察】本研究は初の民間ACT事業者の多施設追跡研究であったが、①民間事業者のACT支援が有効である可能性を示した点、②訪問支援の質のあり方が利用者の利益(=地域滞在日数の改善)につながることが示されており、「実践」とともにその「支援の質の評価」が重要であることを立証した点で、意義をもつ。
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Research Products
(1 results)