2019 Fiscal Year Annual Research Report
Construction of a multicultural social work-based practice model for foreign mothers and children affected by domestic violence
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16K04206
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Research Institution | Niigata University of Health and Welfare |
Principal Investigator |
寺田 貴美代 新潟医療福祉大学, 社会福祉学部, 教授 (70352680)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | DV被害者支援 |
Outline of Annual Research Achievements |
日本の総人口の約2%を外国人が占めており(2019年末時点)、日本国内で生活する外国人やその子どもたちが増加傾向にある。このような社会情勢を反映し、日本で暮らす外国人においてもドメスティック・バイオレンス(以下、DV)の被害者が増加している。これらの被害者は、在留資格の問題や言語・習慣の違いなどによって日本人の被害者とは異なる特徴があり、問題が長期化したり、深刻化したりしやすい傾向があることが明らかとなっている。 また、「配偶者からの暴力の防止及び被害者の保護等に関する法律」において、被害者の国籍を問わずに人権を尊重することが明示化され、外国人被害者においてもDVによる直接的被害への支援体制については整いつつあある。さらに「児童虐待の防止等に関する法律」において、DVの目撃も児童虐待であることが明記されたように、家庭内でDVに晒されることによる子どもたちへの被害に対し、社会的理解が広まりつつある。その一方で、DVによる母子関係への影響については未だ明らかになっておらず、その支援体制も十分に確立しているとは言い難い状況である。 そこで2019年度の研究においては、DV被害を受けた外国人女性とその子どもたちに必要な支援は緊急保護に留まらず、関係機関の連携による長期的・包括的なサポートが不可欠であることを明らかにし、特に、そのような被害者や子どもたちへの支援に際しては、多様な文化的背景に配慮するソーシャルワークである多文化ソーシャルワークを活用した支援が有用であることを明示化した。さらに、外国人DV被害者やその子どもたちが被る影響について考察し、現状の支援展開の問題と課題について明確化した上で、効果的な支援のあり方を明らかにした。
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Research Products
(1 results)