2017 Fiscal Year Research-status Report
認知症高齢者と子どもの世代間交流に携わる施設職員への交流支援プログラムの開発
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16K04236
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Research Institution | Kio University |
Principal Investigator |
南部 登志江 畿央大学, 健康科学部, 准教授 (40568391)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山崎 尚美 (平木尚美) 畿央大学, 健康科学部, 教授 (10425093)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 高齢者 / 子ども / 世代間交流 / 施設職員 / 保育士 / 合同学習会 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成29年度の計画は、①全国の保育所、高齢者施設への調査、②交流の聞き取り調査③豪州の大学及びナーシングホームへの聞き取り調査、④世代間交流支援プログラム案の作成であった。①については②③で時間を要したため今年度は実施できなかった。30年度に実施予定である。②については、実際に世代間交流を頻回に行っている施設で交流の実際を参加観察を行うとともに、事前に職員へのインタビューを行い、交流後に参加した高齢者と子どもへインタビューを行った。そのことから高齢者及び子どもへの効果や職員が交流を継続するにあたって工夫していることなどを知ることができた。その結果を論文としてまとめた。30年度に公表予定である。③については、30年3月に豪州メルボルンで世代間交流を行っている図書館、ナーシングホーム2カ所、保育所を視察した。豪州は多民族であり、また核家族であり、祖父母と離れて暮らしていることが多いことから子どもと高齢者の交流は両者にとって多くの効果があることが示唆された。④については作成中である。アンケート調査やインタビュー、参加観察などの調査結果を踏まえ、実際に職員が工夫していることや課題としていることなどをまとめていく予定である。また⑤として、28年度に施設職員及び保育士合計10名に行ったインタビュー内容から認知症高齢者と子どもの交流における効果や課題についてまとめた。 研究で得たことのまとめと公表については、交流の参加観察から得た知見を4月に京都で開催された国際アルツハイマー病協会会議(ADI)で示説発表した。また文献検索等で得た知見を6月開催の日本老年看護学会で示説発表した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
文献やアンケート調査、インタビュー、参加観察などから高齢者と子どもの世代間交流について具体的にその効果や課題を知ることができた。特に交流後の高齢者と子どもへのインタビューからは具体的な気持ちや思いを知ることができた。このことから交流を仲介する職員への支援プログラムの必要性や内容がさらに理解できた。また、豪州における世代間交流の実際を知ることで日本に活用したい内容について知ることができた。これらの結果を活かした高齢者ケア施設の職員と保育所保育士の合同学習会の開催内容に活かすことができると考える。
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Strategy for Future Research Activity |
①28年度からの計画である全国の高齢者施設職員、保育士へのアンケート調査を行うことで、現在の世代間交流の現状や内容、課題などを調査する。全国調査は行われているが最近の調査は行われていないので、少子高齢化がさらに進んでいる我が国の世代間交流の現状を知ることができ、交流を仲介する職員への支援内容に活かすことができると考える。②高齢者施設職員と保育士の合同学習会を開催する。 ③世代間交流支援プログラムを作成する。④作成した支援プログラムを実際の交流場面で活用し評価する。 ⑤研究成果の公表として学会発表や学会誌への投稿をする。
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Causes of Carryover |
全国の高齢者施設及び保育所へのアンケートができていなかったこと、日常的に世代間交流を行っている高齢者施設や保育所での視察が出来なうなかったことが要因である。 30年度は、全国調査、職員の合同学習会、施設の視察等で物品費、交通費、宿泊費、謝金などを使用する予定である。
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Research Products
(2 results)