2017 Fiscal Year Research-status Report
10代で出産した母子世帯および寡婦世帯への福祉的支援に関する日米比較研究
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16K04242
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Research Institution | Kumamoto Gakuen University |
Principal Investigator |
出川 聖尚子 熊本学園大学, 社会福祉学部, 准教授 (90329045)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 児童福祉 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、「10代出産」と「母子世帯」という危機的な状況に陥りやすい2つの要因をもった「10代出産母子世帯」について、日本の現状および福祉的支援の状況を明らかにすることを目的とする。 平成29年度は、日本において、熊本県と沖縄県でひとり親世帯に対しての数量調査を実施し、1817件の回答を得た。その数量調査から、ひとり親世帯の中でも10代で出産した人を抽出して結果をみると、小学生の頃の心配ごとに「親について」を挙げているものがいて、子どもの頃から原家族の課題が見られることが明らかになった。また、シングルマザーの住居の支援を行っているシェアハウスで、支援の内容やひとり親が持っている課題についてインタビューを行った。10代での出産した人の中には、原家族との折り合いが悪かったり、現家族が支援できる状況でなかったり、頼れない状況にあり、それゆえ家族から受けられる支援がないことによって経済的に困窮したり生活の見通しが立たない状況で孤立する姿が見られた。 アメリカにおいて、昨年と異なる、インディアナポリス(インディアナ州)とアナポリス(メリーランド州)において、10代で出産したシングルマザーと10代で出産した人に聞き取りを行った。就労状況や生活が不安定であることに加えて、将来についての見通しが立っていない姿が見られた。また、アメリカの公立高校のSSWに、出産した在学生への支援について聞き取りを行った。教育の継続のための支援と子どもと愛着関係を結ぶ力が弱いため、学校内の託児所で保育士がサポートする親子支援が見られた。また、病院や教会なども10代出産した人への居場所づくり、フードバンクの支援を行っていた。10だ出産者においても生活・子育て支援を行っていたが、特に復学支援、教育継続の支援など教育支援に力が入れられていた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
支援者への調査、当事者への調査とも順調に進んでいる。
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Strategy for Future Research Activity |
平成30年度において、平成29年度に行った数量調査(熊本県・沖縄県)の分析を行う。また、アメリカにおいて、シカゴ(イリノイ州)において10代出産シングルマザーの追加のインタビュー調査を行い、また、教育分野、保育分野、生活分野、就労分野の支援者への聞き取りも行う予定である。
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Causes of Carryover |
平成30年度に行う調査で使用予定である。
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Research Products
(1 results)