2016 Fiscal Year Research-status Report
認知症高齢者のBPSDを軽減する熟練介護職員のケアのプロセス
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16K04244
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Research Institution | The Japanese Red Cross College of Akita |
Principal Investigator |
松橋 朋子 日本赤十字秋田短期大学, その他部局等, 助教 (30461718)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鈴木 聖子 日本赤十字秋田看護大学, 看護学部看護学科, 教授 (40305272)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 認知症高齢者 / BPSD / 認知症グループホーム / 熟練介護職員 / ケアのプロセス |
Outline of Annual Research Achievements |
認知症高齢者のケアにおいては、エビデンスに基づいたかかわりが求められ、ケアのプロセスを知りそのかかわりの結果として引き起こされる入居者への影響について理解できる力が必要とされる。質の高い認知症ケアを実践している熟練介護職員はどのようにケアを判断しているのかを明らかにすることは重要な意義がある。 これらを踏まえ、平成28年度は、認知症グループホーム(以下、GH)入居後でBPSD(Behavioral and Psychological Symptoms of Dementia)が顕著である時期の認知症高齢者と関係を形成しながらBPSDを軽減していく熟練介護職員の介護実践のプロセスを明らかにすることを目的に、GHの熟練介護職員を対象に観察および個別面接調査を行い、対象理解と判断・実践(対応)を質的に分析した。具体的には、熟練介護職員のケア場面を観察し、観察終了後、BPSDを改善するケアに至った内容、その判断の根拠についてインタビューを行なった。調査対象は、観察および面接について了承が得られた経験5年以上の熟練介護職員(施設の責任者が「良いケアを実践していると判断し、推薦された職員」)5名である。インタビューデータを分析対象とし、BPSDを軽減するケアに至った熟練介護職者の認識を表わしていると考える部分を一要素として抽出しラベル付けを行い、カテゴリーごとに分類した。その結果、21のカテゴリ、45のサブカテゴリが抽出され、抽出したカテゴリー間の関係とプロセスから構造図を作成した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成28年度に計画していた調査は予定通り進み、データの分析を行い学会で報告した。現在、学会誌への投稿に向け準備を進めている。
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Strategy for Future Research Activity |
1.平成28年度に実施した調査結果について、学会誌へ投稿する準備を進める。2.GHの熟練介護職員に対し、熟練に至るまでのキャリア、BPSDの軽減に向けたケアの認識および実態について明らかにするために全国調査を行う。具体的には、全国300箇所のGHを無作為抽出し、責任者が「良いケアを実践している」と判断した熟覧介護職員に対し、質問紙調査を実施する。調査内容は、熟練介護職員の経験年数、教育背景、仕事経験施設数、職位等キャリア形成過程と、BPSDの軽減に向けたケアの認識および対応とし、平成28年度の調査結果を基に具体的な質問項目を設定する。
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Causes of Carryover |
1.平成28年度計画では、調査データの入力を業者委託する予定であったが、研究者間で行ったため、人件費・謝金の一部が使用されなかった。2.文献図書を含む文房具等の消耗品の購入が予定よりも少なかった。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
1.GHの熟練介護職員の介護実践のプロセスについて、理論的飽和に至るまで引き続き対象施設へ調査を行う。2.認知症ケアに関する最新の情報を得るために、関連する研修会や学会へ参加する。3.研究テーマに関連する論文の複写や必要な文献を購入する。
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Research Products
(1 results)