2019 Fiscal Year Annual Research Report
Acquisition of self-pronoun and development of proper use: the relation between self-concept and mental terms
Project/Area Number |
16K04267
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Research Institution | Jumonji University |
Principal Investigator |
長田 瑞恵 十文字学園女子大学, 人間生活学部, 教授 (80348325)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 自称詞の獲得 / 自称詞の使い分け / 幼児 / 縦断研究 / 発達的変化 |
Outline of Annual Research Achievements |
【はじめに】本研究は,幼児期から青年期に亘る自称詞の獲得及び使い分けを,自他の心の理解の発達と,役割取得の発達との関連から検討することを目的とする。自分の呼称(以下「自称詞」と呼ぶ)は自我の発達を表すものの一つと考えられる (西川,2003)。子どもたちは2歳過ぎから主に自分の愛称(三人称)を名乗って他者との区別を明確にし(西川,2003),3歳頃から三人称で呼ぶのをやめ一人称代名詞を用いるようになる(Wallon,1956/1983)。 自称詞は自我の発達を表すものと捉えられ,その獲得について若干の研究はあるが,横断的比較に留まっており、発達的変化を縦断的に検討した研究はほとんどない。また自称詞には地域性があることも指摘されており,その点も考慮して検討する必要がある。そこで,研究最終年度は,標準語圏,関西方言圏,東北方言圏の幼児を対象に,自称詞の使い分けの発達的変化について、3年間にわたり縦断的に検討を行った。特に発達的変化が大きかった幼稚園年少児クラス・年中児クラス・年長児クラスについて報告する。 【方法】*被験者:標準語圏・東北方言圏・関西方言圏に在住する幼児で3年分のデータがそろった者47名(Table1)。研究初年度に幼稚園年少児クラスに在籍していた。 *材料:保護者が記入する質問紙を使用した。 *手続き:様々な場面を設定して,それぞれで使用する呼称を回答してもらった。複数ある場合にはすべて記載してもらい、最もよく使用する呼称に印をつけてもらった。 *調査期間:2016年冬、2017年冬、2018年冬の3回。 【結果】幼児期3年間では自分の呼称として自分の名前やニックネームを使用する割合は高いまま推移すること,一方で,一般的な一人称自称詞の使用は加齢とともに増加していくこと,さらに,相手や場面に応じて呼称を使い分ける割合は年長児クラスになると増加することが示された。
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