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2016 Fiscal Year Research-status Report

若者によるサブカルチャーの受容―作品分析と質問紙調査―

Research Project

Project/Area Number 16K04274
Research InstitutionDoshisha Women's College of Liberal Arts

Principal Investigator

諸井 克英  同志社女子大学, 生活科学部, 教授 (80182286)

Project Period (FY) 2016-04-01 – 2019-03-31
Keywordsアニメ / コミック / ライトノベル / 性格 / 時間
Outline of Annual Research Achievements

わが国おけるコミックやアニメの隆盛を若者によるサブカルチャー受容の観点から捉えるために以下の2通りの作業が実施された。このために,2000年代以降のわが国における「ライトノベル・アニメ・コミック」の社会心理学的意義を作品分析と計量的研究という2つの面から検討した。
作業1では,三部けいの『僕だけがいない街』や新海誠の『君の名は。』などに見られる人の時間的記憶機能やSFでは定番となる時間的移動を駆使した作品の分析を試みた。否定的な過去記憶であるトラウマや,現在の社会に対する漠然として不安感(例えば大災害の発生)を軸として,時間的移動願望や歴史の修正願望と相関させながら,読者に感情移入を惹起していることが窺われた。さらに,「ライトノベル・アニメ・コミック」の三層における物語りの展開の異同についても検討中である。これは,受容者への刺激が「活字」,「動画」,「静止画」という制約の中でどのように変化するかという制作者側の意図に関わる分析である。
計量的研究である作業2では,コミックへの接触行動と性格との関連を探った。そのために女子大学生を対象とする質問紙調査を行った。前年度のコミック購買数100位までのコミック作品を対象に(オリコンデータに基づく),2通りの接触行動(購買,レンタル)を尋ねる尺度を独自に作成した。この尺度とともに,性格の基本的5次元(和田 (1996); 外向性,神経症傾向,開放性,誠実性,および調和性)を測定する尺度にも回答させた。調査は実施したが,まだ統計的解析中である。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

作品分析作業の面では,ある意味膨大な作品群が横たわっている。そのため,その中からある程度選別したうえで,作業を進めざるを得ず取り残しもある。また,作業2については,年度ごとにオリコンTOP100の作品は異なっており,作品購買といういわば産業データ自体に関する年度を継続した分析も必要といえる。

Strategy for Future Research Activity

前年度に取り組んだ作品分析と計量的研究という2通りの作業という方法はおおむね適正であることが確信できた。したがって,前年度に取り組んだ作業をさらに詰め,今年度の課題に取り組む予定である。
作業1では,対象とする「ライトノベル・アニメ・コミック」を拡大する。
作業2では,基本的性格次元以外の個人的傾性を導入し,「ライトノベル・アニメ・コミック」接触との関連をさらに検討する。

Causes of Carryover

作品分析のための資料収集にウェイトがかかり、当初予定したものとは異なる結果になった。

Expenditure Plan for Carryover Budget

2年目では当初の計画通りになるように初年度の差異を意識しながら予算執行する予定である。

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Published: 2018-01-16  

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