2020 Fiscal Year Research-status Report
日本人と中国人の異文化コミュニケーションに関する実験社会心理学的研究
Project/Area Number |
16K04276
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Research Institution | Kobe College |
Principal Investigator |
木村 昌紀 神戸女学院大学, 人間科学部, 准教授 (30467500)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
毛 新華 神戸学院大学, 心理学部, 准教授 (90506958)
小林 知博 神戸女学院大学, 人間科学部, 教授 (70413060)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 社会心理学 / 対人コミュニケーション / 異文化コミュニケーション / 文化 / 日本 / 中国 / 非言語コミュニケーション / 言語コミュニケーション |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究全体の目的は、日本人と中国人による異文化コミュニケーションの心理メカニズムを実験的に検討し、両者による円滑な異文化コミュニケーション方法の指針を提案することである。 2020年度は、昨年度日本で実施した日本人大学生と中国人留学生による異文化コミュニケーション実験の分析を行った。この実験は、初対面の日本人大学生と中国人留学生のペア23組46名を対象にした。研究代表者の所属機関の倫理審査委員会で承認を得て参加者を募集し、実験を行ったものである。事前調査を行い、あらかじめ幾つかの質問項目に回答を求めた。当日、実験室に来てもらい、IATを用いて相手国に対する潜在的態度を測定した。その後、情緒志向的会話条件では、キャンパスライフについて3分間自由に会話をしてもらった。また、課題志向的会話条件では、社会的テーマについて3分間で結論を出すように会話してもらった。会話中の参加者2名の全体的な様子、各参加者の表情について3台のビデオカメラで測定した。条件の順序はカウンターバランスをとった。会話の前後で質問項目に回答を求め、パーソナルスペースを測定して実験を終了した。実験後、表情自動解析ソフトOpenFaceを用いて会話中の参加者の表情を解析した。 データの分析方法として、今回の実験データのみで行う分析と、これまでに実施した日本人同士、中国人同士のコミュニケーション実験データと本データを比較する分析の2つを行った。主たる結果は以下の通りであった。これまでの日本人同士と中国人同士のコミュニケーション比較では、中国人よりも日本人の方が笑顔が有意に多く生起していた一方、両者によるコミュニケーションでは笑顔に差はみられなかった。ただし、日本人の中国人に対する感情温度が高いほどAU06が生起する一方、AU12は抑制されていた。対照的に、中国人留学生では感情温度と表情に有意な関連はみられなかった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
新型コロナウイルス感染拡大のため、所属機関内外での研究活動が困難になったことが主たる理由である。具体的には、(1)日本人大学生と中国人留学生による異文化コミュニケーション実験のコミュニケーション行動のコーディング作業と、(2)中国で実施予定の、中国人大学生と日本人留学生による異文化コミュニケーション実験の実施が不可能となった。 (1)は、大学内で研究補助者2名を雇用し、コーディング作業を実施する作業内容だが、緊急事態宣言を含めたコロナ禍の状況で、オンライン授業などテレワークとなり、研究補助者の雇用もできず、大学での研究遂行が困難となった。 (2)は、中国での研究実施のため、中国の研究機関に協力を要請する必要があるが、海外渡航が禁止され、先方もオンライン授業などになり、計画の目途が立たなくなったため、延期さぜるを得なかった。
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Strategy for Future Research Activity |
本研究課題の今後の作業内容は、上述した通りの(1)日本人大学生と中国人留学生による異文化コミュニケーション実験のコミュニケーション行動のコーディング作業と、(2)中国で実施予定の、中国人大学生と日本人留学生による異文化コミュニケーション実験の実施、となる。 (1)については、研究代表者の所属機関の研究支援課と相談し、感染防止に最大限配慮した上で作業遂行の方法を検討している。2021年度には遂行を予定している。 (2)については、日本及び中国の感染状況を踏まえて研究遂行のタイミングを見極め、協力要請先と十分な相談の上、準備を進める予定である。
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Causes of Carryover |
次年度、(1)日本人大学生と中国人留学生による異文化コミュニケーション実験のコミュニケーション行動のコーディング作業と、(2)中国で実施予定の、中国人大学生と日本人留学生による異文化コミュニケーション実験の実施、を予定している。 (1)については、研究補助者2名を雇用するための費用が必要となる。また(2)については、研究代表者及び分担者2名の渡航旅費、研究参加者に対する謝金、実験実施の場所を確保するための会議室使用料、分析の際に研究補助者に対する謝金、研究成果を学会発表するための費用を要する。
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