2022 Fiscal Year Annual Research Report
Self-regulatory resource preservation functions of significant others supporting the expansion of the social network of individuals with low self-evaluation.
Project/Area Number |
16K04277
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Research Institution | Tezukayama University |
Principal Investigator |
谷口 淳一 帝塚山大学, 心理学部, 教授 (60388650)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
相馬 敏彦 広島大学, 人間社会科学研究科(社), 准教授 (60412467)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 初期適応 / 自己呈示 / 本来感 / 関係的自己 / 親密な関係 / シャイネス |
Outline of Annual Research Achievements |
研究期間を延長し、最終年度となった令和4年度についてはこれまで実施できていなかった2つの研究を実施した。大学新入生を対象として実施した研究3では、シャイネスが対人適応と負の関連を示しており、男女ともシャイな人では既存の親密な関係に付随する関係的自己の多寡が適応に関連しておらず、シャイでない場合は、女性は関係的自己が低い方が適応的であり、男性は関係的自己が高い方が適応的という結果となった。つまり仮説は支持されなかった。ただし、分析の結果得られた性差については予想していなかったものであり、このような性差が得られた理由については詳細な検討の必要性という課題が残された。当初の研究3の計画では大学新入生に加えて、社会人を対象として調査を実施することとしていたが、これまで実施できていなかった。大学生とは人間関係の様相が異なる社会人においては異なる結果が得られる可能性があることから、令和4年度1つ目の研究として現在の企業・組織に入社して時期がそれほど経っていない社会人500名を対象に新たな対人関係の形成場面において、関係的自己がポジティブであれば、自己評価が低くても(シャイであっても)、初期適応が果たされるのかを検証する調査を実施した。 次に、当初の研究計画にあった研究5、研究6、研究7を統合、簡略化し、重要他者の表象を活性化することによって、初対面他者に対して適切な自己呈示を行うことができるようになるのかを検証する研究を実施した。企業組織に所属する20代~30代の社会人800名を対象に調査を実施した。対象者を実験群、統制群のいずれかにランダムに配置し、実験群には重要な他者の表象を活性化させる手続きを行い、場面想定法を用いて新たな職場での同僚に対して適切な自己呈示を行うことができるようになるのかを検討した。 2つの研究結果については今後、国内外の学会で発表を行う予定である。
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