2019 Fiscal Year Annual Research Report
A new look at the research methods of psychology based on the semiotic approach to the process of meaning construction in daily interaction
Project/Area Number |
16K04301
|
Research Institution | Osaka Kyoiku University |
Principal Investigator |
小松 孝至 大阪教育大学, 教育学部, 准教授 (60324886)
|
Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2020-03-31
|
Keywords | 発達心理学 / 文化心理学 / 意味構成 / 自己 / 弁証法 / 記号的媒介 / モデル構築 / 社会・文化的アプローチ |
Outline of Annual Research Achievements |
本課題については,その内容の一層の発展のため,国際共同研究加速基金「記号論的アプローチに基づく意味構成のモデル構築」を申請して認められ,2018年に,Jaan Valsiner教授(デンマーク・オールボー大学)のもとに長期出張を行った。同教授との共同研究の成果は,2019年11月にSpringer社から,Valsiner教授がSeries Editorを務めるモノグラフの1冊として刊行された。このモノグラフはオープンアクセスであり,同社ウェブページから無料ダウンロード可能である。 この研究成果は,主に子どもの生活の中での会話や日記といった意味構成活動を,子どもの自己の明確化のプロセスとして捉えるもので,発達心理学における新たな質的研究のモデルを,英語により国際的に広く発信するものとなっている。 2019年度は,このモデルに十分に含めることができなかった,学校教育をはじめとした制度的文脈との関係について,「冗長性(redundancy)」の意義に着目した理論的考察をすすめ,英文論文を執筆し,この論文を含む,同領域の研究者による論文集の編集をすすめた。この論文集はValsiner教授がSeries Editorを務める別シリーズにおいて刊行予定である。 また,本研究課題は,子どもの発話等に対する質的アプローチにとどまらず,発達研究の方法論に対して,データの解釈や分析のあり方への提言を目指すものであった。今年度は,国内の学会におけるシンポジウムおよびラウンドテーブルにおいて,話題提供および指定討論者として発信を行った。また,ナラティヴ研究に関する論文集において,親子のコミュニケーションに対するナラティヴ分析の立場から方法論的な提案を行った。
|
Remarks |
本研究の研究成果(モノグラフ・オープンアクセス)へのリンク
|