2017 Fiscal Year Research-status Report
対話的異文化理解の教育方法をめぐる実践及び理論的研究
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16K04310
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Research Institution | Maebashi Kyoai Gakuen College |
Principal Investigator |
OH SUN AH 共愛学園前橋国際大学, 国際社会学部, 教授 (90363308)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高橋 登 大阪教育大学, 教育学部, 教授 (00188038)
榊原 知美 東京学芸大学, 学内共同利用施設等, 准教授 (20435275)
田島 充士 東京外国語大学, 大学院総合国際学研究院, 准教授 (30515630)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 対話的異文化理解 / 交流授業 / 教育方法 / 関係調整のシステム / 日韓 / 日中 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究課題では、(1)日中韓の大学の間での対話的異文化理解教育実践の実施、(2)効果的な教育方法の開発と教材化、(3)実践参加者の対話的異文化理解の過程についての詳細な分析と理論的考察を行い、新たな文化理論の提案を行うことを目的としている。 2年目にあたる平成29年度には、特に対話的異文化理解教育実践の実施の面で大きな進展が見られた。具体的には、平成28年度に授業を実施した呉(日本:代表者)と崔(韓国:協力者)、榊原(日本:分担者)と片(中国:協力者)が平成29年度も引き続き授業実践を実施すると同時に、新たに田島(日本:分担者)と姜(中国:協力者)の間での授業実践も実施した。 日韓間での交流では、平成28年度に引き続き、8月に日韓の大学生が韓国の群山において一緒にまち歩きを行う中で、直接対面式の交流を行った。日中間の実践のうち、榊原・片の授業実践では、平成28年度に実施した交流授業の中で日本と中国の学生が作成した物語を、前年度とは別の学生たちに対して配布し、その内容を分析させるとともに日中で分析結果を交換し、議論した。また、田島・姜の授業実践では、日中の大学生が葛藤の解消を目指し論じあうことを目指した異文化間コミュニケーション教育が開発され、実施された。日中間で矛盾が生じることの多い価値判断を伴う話題についての議論を通じて、日中相互に抱える価値観の違いを比較した参加者は、異質な相手の価値判断の理由を理解し、葛藤状況を理知的に解消する方法等を提案するようになった。 また、異文化理解過程の詳細な分析と理論的考察については、8月に韓国ソウルでの全体会議を行い、議論を深めるととともに、《Integrative Psychological and Behavioral Science》誌上での特集号(51巻3号)において、これまでの授業実践とその理論的検討に関する論文が掲載された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
<概要>において詳述した通り、平成28年度から平成29年度にかけて、当初の予定以上に異文化理解授業実践は順調に実施できている。同時に、その実践成果の共有・理論的検討を行うための全体会議についても、当初の予定通り3回の全体会議(平成28年度:横浜・北京、平成29年度:ソウル)も開催し、北京・韓国では授業実践についての議論を研究チーム内で行うだけでなく、チーム外の現地の研究者・教育者とも実施できた。 さらに、実践成果の分析・理論的検討およびその国際的・社会的公開については、この2年間で本研究課題申請時の予定を遥かに上回る成果が上がっており、平成28年度はValsiner, Y.氏を指定討論者に招いてのICPでのシンポジウム《How can we understand and study culture? New methodologies of dialogical research for mutual understanding.》を中心に、関連する公開研究会・学会シンポジウムを日本や中国で計7回展開した。さらに平成29年度はICPにおけるシンポジウムの成果をIntegrative Psychological and Behavioral Science,誌に論文として発表し、整理した理論的な課題や実践的な課題を交流授業その他を通して深めるために、日本と韓国で異文化間相互理解に関する研究会やシンポジウムを計10回開催した。2016年度はValsiner,Y.氏を指定討論者に招いてのICPでのシンポジウム「How can we understand and study culture? New methodologies of dialogical research for mutual understanding.」を中心に、関連する公開研究会・学会シンポを日本や中国で計7回展開した。さらに2017年度はICPシンポの成果をIntegrative Psychological and Behavioral Science,誌に論文として発表し、整理した理論的な課題や実践的な課題を交流授業その他を通して深めるために、日本と韓国で異文化間相互理解に関する研究会やシンポジウムを計10回開催した。
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Strategy for Future Research Activity |
<概要>において詳述した通り、平成28年度から平成29年度にかけて、当初の予定以上に異文化理解授業実践は順調に実施できている。同時に、その実践成果の共有・理論的検討を行うための全体会議についても、当初の予定通り3回の全体会議(平成28年度:横浜・北京、平成29年度:ソウル)も開催し、北京・韓国では授業実践についての議論を研究チーム内で行うだけでなく、チーム外の現地の研究者・教育者とも実施できた。 さらに、実践成果の分析・理論的検討およびその国際的・社会的公開については、この2年間で本研究課題申請時の予定を遥かに上回る成果が上がっており、平成28年度はValsiner, Y.氏を指定討論者に招いてのICPでのシンポジウム《How can we understand and study culture? New methodologies of dialogical research for mutual understanding.》を中心に、関連する公開研究会・学会シンポジウムを日本や中国で計7回展開した。さらに平成29年度はICPにおけるシンポジウムの成果をIntegrative Psychological and Behavioral Science,誌に論文として発表し、整理した理論的な課題や実践的な課題を交流授業その他を通して深めるために、日本と韓国で異文化間相互理解に関する研究会やシンポジウムを計10回開催した。
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Causes of Carryover |
日韓交流授業や日中交流授業を実施はしているが、まだデータ整理や分析が少し遅れている部分もあり、分析が遅れている分のデータ整理やデータ翻訳費などは支出せずにいる状況でる。今後の交流授業のデータ整理や、分析のための翻訳費に充てる予定である。
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Research Products
(13 results)