2016 Fiscal Year Research-status Report
項目反応理論を用いた情動知能測定のための客観的テスト方式による尺度の研究開発
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16K04315
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Research Institution | Shibaura Institute of Technology |
Principal Investigator |
岡田 佳子 芝浦工業大学, 工学部, 准教授 (90367011)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 情動知能 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は,情動知能の客観的テストとして海外で最も用いられているMSCEITを基にして,日本で使用できる尺度を作成することである。研究期間内に行うことは文化の違いを考慮して日本人向けの項目と測定方法を明らかにすること,及び,調査を行い尺度の信頼性と妥当性を統計的に確認することの2点である。本年度は主として項目案の作成を行った。 MSCEITはMayer & Salovey(1997)の4ブランチモデル(①情動の知覚<Perceiving>,②情動の利用<Using>,③情動の理解<Understanding>,④情動の制御<Managing>)の枠組みに沿って作成されており,8つの下位尺度から構成されている。具体的には(1)Face:表情から感じた感情の評定,(2)Picture:画像から感じた感情の評定(以上ブランチ①),(3)Facilitation:思考への情動の利用,(4)Sensation:共感,(以上ブランチ②),(5)Changes: ある感情が大きくなっていくとどのような感情になるかの評定,(6)Blends: ある感情がどのような感情が混合されたものか評定,(以上ブランチ③),(7)Management:自己の感情の制御,(8)Relationships:他者との関係での感情の制御(以上ブランチ④)である。 今年度は,この8つの下位尺度の内容を基にして,使用する写真等の課題や場面の内容等を日本人に合わせて選定しなおして項目案を作成することを目的として,情動や情動知能に関する国内外の先行研究を調査し,目標項目数より多めの項目案を作成した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本年度は(1)項目案の作成,(2)概念的妥当性を確認するための基準となる測度の選定,(3)予備調査を行う予定であったが,当初予定していた範囲より広い範囲で先行研究を調査する必要があると判断し,先行研究の調査に十分な時間を費やすこととした。そのため,今年度は項目案を作成することまでを目標とすることに計画を変更した。
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Strategy for Future Research Activity |
【現在までの進歩状況】に記したとおり,今年度は当初の予定を変更し,項目案の作成までを行った。平成29年度は,予備調査および本調査を実施する予定である。当初は平成29年度中にデータ分析までを終わらせる予定であったが,データ分析は平成29年度から30年度にかけて実施する予定である。
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Causes of Carryover |
本年度中に実施する予定であった予備調査を平成29年度に実施することになったため,予備調査協力者への謝金と調査の印刷費,調査データ整理のための人件費分の予算が次年度使用額として生じた。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
平成29年度に予備調査を実施し,上記の次年度使用額を使用する予定である。
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