2016 Fiscal Year Research-status Report
グループディスカッションでコミュニケーション能力を高める学校教育プログラムの開発
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16K04326
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Research Institution | Osaka Sangyo University |
Principal Investigator |
西口 利文 大阪産業大学, 全学教育機構, 教授 (70343655)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | グループディスカッション / 学校教育 / セルフマネジメント |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は,義務教育段階において,グループディスカッションを通じてコミュニケーション能力を高めるための教育プログラムの開発を目的としたものである。この目的のもと,2段階からなる計画のもとに,本研究をすすめている。第1段階は,当該の子どもたちの認知発達段階に適合した補助教材の作成および,グループディスカッションの実践に関わる内的状態を測定するアセスメントの開発である。そして第2段階は,この補助教材およびアセスメントを活用したグループディスカッションの実践による教育効果の検証である。 平成28年度においては,第1段階に相当する補助教材の作成およびアセスメントの開発に着手した。補助教材の作成においては,特に「道徳」の指導内容に準拠したものを念頭に,これまでの各種教材や指導法についてのレビューを行うことで情報収集を行った。 また,アセスメントに関しては,グループディスカッションの効果測定に活用する「セルフマネジメント」の尺度を開発するをすすめた。これについては,平成28年度は,大学生を対象とした調査を通じて,「セルフマネジメント」の因子構造を把握した。その結果,「セルフマネジメント」は「開発マネジメント」「予防マネジメント」「回復マネジメント」「協同関係マネジメント」の4因子構造であることを確認した。またこうしたマネジメントのうち,「協同関係マネジメント」「開発マネジメント」の高い学生において,グループディスカッションを論理的にすすめていく可能性を確認した。この結果をもとに,平成29年度以降は,さらに小中学生版のアセスメントの開発をすすめていく予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究は2段階からなる3年間の計画のもとすすめている。初年度であった平成28年は,第1段階で求められている研究の半分程度をすすめることができた。このことから概ね順調に進められているととらえている。
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Strategy for Future Research Activity |
平成29年度以降の研究は,学校現場との連携のもとで,調査や実験的な検討が必要となる内容を含むことになっている。目下,各学校との協力体制を構築しているところである。さらに,今後は,各学校における行事等のスケジュールとの兼ね合いのもとで,研究計画の変更の必要性が出てくる局面も想定されうる。それゆえ,学校とのより緊密な連携のもとで,具体的な工程を描きつつすすめていくことが,本研究の推進につながると考えている。
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Causes of Carryover |
アクティブ・ラーニングに伴う教育工学関係のさまざまな良書が,平成29年度以降に続々出版される可能性が予見されたため,平成28年度は最小限の購入にとどめたというのが大きな理由である。その代わりとして,平成28年度では,アセスメントの開発に力点を置くというかたちで研究をすすめてきた。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
平成28年度は,一部の図書の調達を次年度に先送りにした。平成29年度は,研究の遂行に必要な図書の調達に当てることを計画している。
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