2018 Fiscal Year Annual Research Report
Development of a school education program that enhances communication skills through group discussions
Project/Area Number |
16K04326
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Research Institution | Osaka Sangyo University |
Principal Investigator |
西口 利文 大阪産業大学, 全学教育機構, 教授 (70343655)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | グループディスカッション / 学校教育 / セルフマネジメント |
Outline of Annual Research Achievements |
平成30年度は,義務教育段階において,グループディスカッションを通じてコミュニケーション能力を高める学習課題の開発を目的とした。 ところで学習課題の開発には,各教科の専門的知識をもつ教師の支援が欠かせない。その上で,幅広い教科や単元の開発につながるためにも,教師自身が学習課題を独自に開発できる力量を持つことが望ましい。特に,新学習指導要領で期待される「深い学び」を実現することにつながる学習課題を開発する力が教師一般にあるかどうかを検証していくことは有意義である。そこで,グループディスカッションを通じた授業における「深い学び」の実現に焦点を当てて,現職の教師が校内研修で開発する学習課題の質について理解するための研究を行った。 具体的には,公立中学校に勤務する25名の教師が参加する校内研修を対象とした分析であった。研修に参加したそれぞれの教師は,研修前より用意したアイディアを持ち寄り,教科別のグループになって,略式化した指導案とともに学習課題を作成した。その場で作成された学習課題が,生徒の「深い学び」を実現しうるかどうかを把握する視点から分析するために,「改訂版タキソノミー」(Anderson & Krathwohl, 2001)にある「記憶する」「理解する」「応用する」「分析する」「評価する」「創造する」の各認知過程を表すカテゴリーを参照した。その結果,各グループから提案された学習課題は,「記憶する」「理解する」という認知過程を基盤として,深い認知過程をもたらす「応用する」「分析する」「評価する」「創造する」といった活動を,生徒に促すことを予見しうる内容であった。少なくとも教師が開発する学習課題については,教科の専門性をもつ教師たちによる熟考ならびに教師間の相互作用のプロセスを経ることを通じて,生徒たちの「深い学び」を実現する授業を支える内容になりうることを示した。
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Research Products
(1 results)